道財務局が『平成25年度地域密着型金融シンポジウム』開催、中小企業の海外進出サポートする地域金融機関の役割

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IMG_1308IMG_1322IMG_1326IMG_1328 北海道財務局は14日、札幌第一合同庁舎2階講堂で『平成25年度地域密着型金融に関するシンポジウム』を開催、金融関係者約200人が参加した。今年のテーマは、『中小企業の海外進出に向けて地域金融機関に求められる役割とは』で、NTTデータ経営研究所金融コンサルティング本部大野博堂アソシエイトパートナーによる基調報告、西日本シティ銀行谷川浩道副頭取や帯広信用金庫小森正伸理事経営企画部長の事例発表に続いて北洋銀行迫田敏高常務執行役員、きのとや長沼昭夫社長、山本忠信商店山本英明代表取締役らが出席したパネルディスカッションも行われた。(写真は左上から時計回りに、顕彰式後に挨拶する北洋銀行永島雄二常務、講演するNTTデータ経営研究所大野博堂アソシエイトパートナー、帯広信金小森正伸理事、谷川浩道西日本シティ銀行副頭取)
  
 シンポジウムに先立ち、平成25年度地域密着型金融に関する取り組みの中で金融行政アドバイザリー5人の審査によって優秀事例に選定された北洋銀行の『動産管理に創意工夫を凝らしてABLの活用に取り組んだ事例』、北門信用金庫の『廃業支援と創業支援を複合した事業再生事例』、北見信用金庫の『外部専門家との連携による事業承継支援と第二創業支援』について顕彰式が行われ、鈴木正俊道財務局長から北洋銀行の永島雄二常務、北門信金小嶋俊明理事長、北見信金太布康洋理事長にそれぞれ賞状が手渡された。
 
 その後、シンポジウムに移り、NTTデータ経営研究所の大野氏は『我が国金融機関による中小企業のトップライン支援等に関する調査報告』をテーマに基調報告。金融庁の委託によって金融機関が今後、中小企業の経営支援にどういう役割を担っていくべきかを明らかにする目的で首都圏や地方の中小企業23社、金融機関13行・金庫、地方公共団体や商工会議所など6団体に直接インタビューした結果を報告した。
 
 大野氏は、「ネットバンキングの普及によって金融機関が取引先中小企業との接触機会が少なくなったという声が多かったが、個々の中小企業の実態に応じたオーダーメイドな支援が必要とされていることが分かった」と語った。また、道内23金庫が大規模震災を想定して全金庫横断的な機能はどうあるべきかを含めBCP(事業継続計画)策定を進めていることや地域横断的なビジネスマッチングが検討されていることについても言及した。
 
 西日本シティ銀行の谷川氏は、自行の国際ビジネス支援ついて発表し、九州地方では東海地方と異なり親会社の海外進出と一緒に下請け企業が海外に出て行く“企業村ごとの進出”が少なく、様々な業種の中堅・中小企業が独自にアジアを目指すため相談案件は多様化している状況を説明。「銀行という業態にとらわれずグループあげて海外進出の不安を取り除くプログラムを用意している」と述べた。
 
 帯広信金の小森氏は、昨年11月に取引先の海外子会社に直接融資した取り組みについて話し、「海外直接融資で先行している東海地区の金庫に職員を派遣して情報収集したが、欧米コンサルティング会社と守秘義務契約をしているという理由で殆ど情報が入らず、暗中模索、オリジナルで取り組んだ」と語った。また、小森氏は、取引先の海外子会社への融資実行や回収は条件によっては課題が多いこと、決算書の英語表記を分析するノウハウがまだできていない実状などについても発表した。
 
 続いて行われたパネルディスカッションは次回に詳報予定。

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