2月3日の節分の日に恵方巻きを食べる習慣が北海道でもスッカリ根付いた。食品スーパーにとってはまさに書き入れ時。恵方巻きのPI値が1000を超える店舗も出るなど、各スーパーともに今年の節分商戦の分析に余念がない。


 食品スーパーは競争激化と価格の低下で「お互いに足を絡ませた戦い」(アークス横山清社長)を強いられているが、今後もこうしたイベント商戦の成否が、勝敗を決することになりそうだ。
 コープさっぽろは、節分の日の売れ行きやアンケートの結果をこのほどまとめた。
 それによると、節分の日に豆まきなど家庭内で何らかの催しをしている消費者は73・6%という結果が出た。そのうちの70%が恵方巻きを購入していることも明らかになったという。
 興味深いのは恵方巻きのPI値。PI値は、流通小売業界の専門用語で、レジ通過客1000人当たり、その商品をどの程度購入しているかを示す指数。つまり、来店客数の何%がその商品を購入したかを示し、来店客のその商品に対する支持度合いを示すときに用いる。
 コープさっぽろの店舗では、恵方巻きのPI値が1000を超える店舗もあった。この値は来店客のほぼすべてが恵方巻きを購入していることを示し、最高のPI値は1030という店舗もあったという。
 恵方巻きはもともと関西の風習で、巻き寿司1本をその年の恵方(縁起の良い方角)を向いて食べ終わるまで黙っているというもの。北海道では、1990年ころから始まり、この10年でスッカリ道民の食生活に根付いる。
 コープさっぽろのアンケートによると、このほかにイワシやソバも売れ、から揚げも普段に比べて売れ行きは急伸したという。家庭内のささやかな催しには、から揚げ需要が根強いことも改めてデータにくっきりと現れたようだ。
 面白いところでは、恵方巻きの代わりに恵方ロールケーキを購入するケースもあった。
 豆まきに使う豆は北海道の場合、落花生が大半というアンケート結果も出た。全国的に見ると、大豆が7割で落花生3割という比率だが、北海道はそれが逆転し、落花生7割、大豆は3割という比率。殻つきの落花生は片付けるのも簡単だし、場合によっては殻を破って食べることもできる。
 簡便で即時性を求める道民の嗜好が表れているようだ。
 


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