クリエイティブ産業の活性化と他産業への波及などを目的にしたイベント「ノーマップス2016」(実行委主催)が10月10日から16日まで札幌市内で開催された。これは、ユネスコ創造都市ネットワーク(国内では7都市が加盟)のメディアアーツ部門に加盟している札幌市を世界屈指のイノベーティブなマチにしようという取り組みの一環。最終日のイベントとして札幌市中央区のわくわくホリデーホールでは、『人工知能(AI)をビジネスに結び付けるには』をテーマにしたパネルディスカッションが開催された。IMG_9098(写真は、様々な提言が出たパネルディスカッション)

 パネルディスカッションに参加したのは、ノーマップス実行委の委員長でクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之社長、ABEJAの岡田陽介社長・CEO、北大大学院情報科学研究科の川村秀憲教授、ドワンゴ人工知能研究所の山川宏所長、オルツの米倉千貴代表取締役の5人で、モデレーターは公立はこだて未来大の松原仁教授が務めた。 
 
 AIブームは今回で3回目と言われているが、すべてがインターネットに繋がる社会が近づいている昨今、これまでのブームと違うのはAIが実際に生活を変えようとしていることにある。
 
 松原氏は、「北海道は観光や農業、漁業といったAIを適用していく現場を持っている強みがある。例えば観光にAIを使おうとすると、現場にいないと分からないデータも日々入ってくるし、観光業者の情報も入ってくる。東京にいるとこうした生のデータはなかなか入ってこない」としたうえで、「北海道にはAIで解決しなければならない課題がたくさんある。そういう意味ではAI活用の宝庫だ。雪道のツルツル道路で自動運転がうまくいけば世界中に適用できるのではないか。AI特区にすれば大きく可能性は広がる」と話した。
   
 また、川村氏は、「札幌の人口も200万人弱でほぼピークを迎え、今後は減少に転じる。観光は、インバウンドで目下は好調だが、この先サービスの質を落とさずに少なくなる働き手をどう補っていくか。AIやIoTで少子高齢化になっても農業、漁業、観光に対応できるようにすることが重要になっていく。そういう意味では北海道は先端を走っている。ただ、AI研究は大学や民間だけでは難しいので行政を巻き込み、産官学で問題意識をもって取り組むことが必要。機運は盛り上がってきているので、形を作って先進事例にすれば良い」と語った。
  
 最後に伊藤氏は、「新しい生産技術がAIやIoTで作られていくこともあるが、甚大な被害を受けたこの間の台風や豪雨による被害状況を把握するため、ドローンが大活躍したそうだ。広い北海道だからこそ先端技術を活用できるケースは多いのではないか」とAIをビジネスに結び付けるヒントを示していた。



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