ススキノの古き良き時代を彩った元高級クラブ「チカル」解体

社会・文化

 ススキノの札幌市中央区南7条西4丁目の一角で、ひっそりと解体工事が行われている。ビルの谷間の目立たない小さな建物が、間もなく姿を消そうとしている。今やそこがススキノの代名詞にもなっていた、高級クラブ「チカル」の建物だったことを知る人はほとんどいない。昭和から平成にかけて一時代を築いた歴史が、幕を閉じる。(写真は、解体工事が進んでいる「チカル」が入っていた建物)

「チカル」は、「みの」と並ぶススキノの高級クラブだった。多くの著名人が来店し、渡辺淳一氏の「北都物語」にも登場した。かつてエクゼクティブの間では「川甚→チカル→すし善」の黄金ルートがあっという(川甚は経営者交代で営業、すし善は経営者変わらず営業)。その「チカル」が、前身の建物時代を含めて42年間の営業を終えたのは2001年。三角屋根の山荘のような特徴的な建物は、ディスコ&バー「BOOTY」に引き継がれた。その「BOOTY」も2026年3月末に24年間の営業を終了した。

「チカル」「BOOTY」と中身が変わっても、建物は変わらずこの地で人々を受け入れてきた。閉店後、建物は閉ざされ、訪れる人はいなくなった。土地所有者は、チカルから個人を経て、2026年4月、札幌の不動産事業者、ワイ・エス・ジーに移った。そして、解体工事が始まった。解体事業者は大光(札幌市東区)。古き良き時代のススキノの熱気を吸い込んだ建物は間もなく消え、約75坪の土地は次章の舞台を待つことになる。

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