札幌マチナカ点描、間もなく消える「渡り廊下」

社会・文化

 札幌市内のマチナカには、建物と建物を結ぶ「渡り廊下」がいくつかある。すぐ浮かぶのは、丸井今井の大通館と一条館を結ぶ渡り廊下だろうか。直下は道路、窓から覗き込んだ経験がある人も多いだろう。どこか非日常感を漂わせるのが、「渡り廊下」である。(写真は、撤去工事が始まった時計台記念病院の渡り廊下。奥にはもう一つの渡り廊下が見える)

 創成川通と北1条・雁来通が交わる一角にある「時計台記念病院」。この病院を運営する社会医療法人社団は、運営するもう一つの病院とともに移転集約、「時計台記念病院」は役目を終えて目下、解体工事に入っている。この病院の本館病棟と仲通りを挟んだ別館病棟を結んでいるのが、渡り廊下。高さ15m程、病棟と病棟を結ぶこの渡り廊下を、何十年もの間に多くの医師や看護師、患者が行き来した。
 病棟とともに、この渡り廊下も間もなく撤去される。主役の病棟を支える脇役の渡り廊下が消えても、主役ほど寂しさを募らせる人はいない。しかし、渡り廊下がなければ、この病院の力は半減したかもしれない。それほどの重みがあった。

 仲通りは、北1条・雁来通りを越えて続いており、北電ビルの本館と別館を繋ぐ渡り廊下も、この仲通りを跨いでいる。こちらの渡り廊下も、役割が違ってもそこで働く人たちには欠かせない存在。2つの渡り廊下が見えていた仲通りから、間もなく一つの渡り廊下が消える。近くで見上げると、思っていた以上に大きかった。

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