商業空間の企画、立案、建築設計などのストアプロジェクト(本社・札幌市中央区)が運営している江別市の商業施設「EBRI(エブリ)」(東野幌町3番3号)のグッドデザイン賞(主催・公益財団法人日本デザイン振興会)受賞発表会が、2024年11月1日、「EBRI」で行われた。ストアプロジェクト関係者や江別市関係者などが集まり、受賞を祝った。(写真は、「EBRI」の2024年度グッドデザイン賞受賞発表会。右からストアプロジェクト・間宮なつき代表取締役、後藤好人・江別市長)
「EBRI」は、江別市の歴史的建造物である、旧ヒダ煉瓦工場を活用した食と観光の発信拠点として、2016年3月にオープン。市が所有しており、公募活用提案で選定されたストアプロジェクトが、20年間の賃借契約を締結して運営している。煉瓦造りの外観を維持するとともに、内部を耐震補強して蘇らせた。
オープン当初は多くの人で賑わったが、核テナントが退店し、その後のコロナ禍によって、運営は厳しい状況が続いたが、2023年8月にリニューアル。EBRI市場、EBRIストア、EBRIパブリックスペース、EBRIマーケットの4区画を中心にゾーニング、地域の魅力をより強く発信する施設に生まれ変わらせた。2024年度グッドデザイン賞の受賞は、外観と共に、こうした地域の魅力を一体的に発信しているソフト面も評価された。
受賞発表会で、ストアプロジェクトの間宮なつき代表取締役は、「来年3月でEBRIは10周年になるが、本来は、開業時に狙う賞がやっと受賞できた。地域の連携を深め、地域の良さを共有して深く発信する施設であり続けられるよう努力したい。人口減少が進んでいる地域には、歴史的価値のある建築が残っているところもあるので、EBRIの手法をアドバイスできれば」と話した。
来賓として出席した江別市の後藤好人市長は、「市民には、日常的に新しい発見がある非日常的な施設になっているほか、観光客は、ここに来れば江別のどこに行けば面白いかが分かる発信拠点にもなっている」と受賞を喜んだ。なお、施設内には、2024年11月1日から、姉妹都市・オレゴン州グレシャム市と友好都市・土佐市の3都市の特産品と江別の観光案内を行う「江別アンテナショップGET’S」がオープンしたほか、EBRIストアでは、江別の素材を取り入れたオリジナル新商品などの販売も始めている。