狸小路の老舗「サン・フルーツ」復活、「moyuk」で綴る新しい歴史

社会・文化

 狸小路商店街3丁目に小さな果物専門店「サン・フルーツ」が復活した。創業73年、狸小路商店街では唯一の果物専門店。2023年7月20日(木)にオープンする複合商業施設「moyuk SAPPORO」の前身、「サンデパート」時代から営業していた店舗。旧ビル時代のテナントが、新ビルでも営業を続けるのは、この「サン・フルーツ」だけという。(写真は、復活した果物専門店「サン・フルーツ」)
(写真は、「サンデパート」1階で営業していた頃の「サン・フルーツ」)
(写真は、コンテナを改造した店舗で営業していた頃の「サン・フルーツ」)

「サン・フルーツ」は、1950年に南2条西3丁目で創業した。その後、1962年にこの地に「サンデパート」が誕生、1階の狸小路商店街に面した場所に入った。元々は「畑山果実店」という屋号だったそうだが、「サンデパート」に入ることになったことや、代替わりしたことから屋号を変えた。

「サンデパート」は、再開発のため2018年4月に56年間の営業を終了したが、「サン・フルーツ」はその2ヵ月前に閉店した。建て替え工事期間中は、工事現場前の狸小路商店街に貨物列車のコンテナを改造した期間限定の賑わい発信事業「でべそ」(正式名称はDevelopment of Sapporo Odoriを略したdeve★so)が登場、「サン・フルーツ」はそこを利用して営業したこともあった。

「サンデパート」の閉館から5年、「moyuk SAPPORO」がいよいよ開業するが、「サン・フルーツ」は1階の商店街側に間口一間の店舗を7月1日に先行オープンさせた。3代目店主の横内真澄さん(51)は、「賃料も高くなるので、新しいビルに入るかどうかは、先代と話し合って私が決断しました。狸小路商店街で、唯一の果物専門店としてこの地で営業を続けていきたい」と話した。「moyuk SAPPORO」誕生で街の装いは一新するが、「サン・フルーツ」は変わらぬ商いをこの地で続けていく。

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