札幌南2西3南西地区市街地再開発組合(久保田雅彦理事長=旭堂社長)が、2023年7月20日にオープンさせる複合再開発ビル「moyuk SAPPORO(モユクサッポロ)」。オープンを前に期待感が高まっている中、関係者の間で囁かれているのが、狸小路商店街にある地下街との接続階段・エスカレーターの撤去問題。「moyuk SAPPORO」には、新しく地下街との接続階段・エスカレーターが設置されており、「2つも必要ないのでは」という声も。さて、どうなる。(写真は、狸小路商店街の西3丁目西側にある地下接続階段とエスカレーター)
狸小路商店街が駅前通と交差する西3丁目西側と西4丁目東側には、地下街ポールタウンに接続する階段とエスカレーターが設置されている。西3丁目側は階段とエスカレーター、西4丁目側は上下ともにエスカレーター。
撤去問題が起きているのは、西3丁目側。というのも、再開発事業として建設された「moyuk SAPPORO」には、ビル内に地下接続階段とエスカレーターが新しく設置されたからだ。市の方針は、地下街や地下通路に接した地上に新しくビルを建設する場合、地下との接続階段などを設置してもらい、既存の階段などはビル事業者に撤去してもらうというもの。
(写真は、地下街ポールタウンと狸小路商店街を接続する階段とエスカレーター)
「moyuk SAPPORO」の場合は、撤去問題が再開発組合との間で二転三転した経緯がある。地下街を管理運営する札幌都市開発公社(本社・札幌市中央区)は、「moyuk SAPPORO」の荷捌き場を使わせてもらう代わりに、公社側が撤去する考えを示したことがある。しかし、再開発事業は地権者の同意がなかなか進まず、建設が大幅に遅れたうえ、荷捌き場の場所も当初と大きく変更された。公社は「moyuk SAPPORO」の地下からの動線に配慮して、地下街のテナントスペースを1コマ潰している。その間に、既存のエスカレーターの更新工事に迫られ、公社は「moyuk SAPPORO」が竣工する前に、エスカレーターを更新せざるを得なかった。
(写真は、「moyuk SAPPORO」に設置されたエスカレーター)
関係者は、「再開発組合は、狸小路商店街側に公開空地を設けてイベントが開催できる空間にしており、既存の接続階段・エスカレーターはない方が良いだろう。狸小路商店街にとっても、階段やエスカレーターがない方がすっきりする。商店街は、西3丁目西側にロードヒーティングを敷設したいようなので、撤去してほしいと思っているはず」と言う。
再開発組合と公社の話し合いが進まない中、7月20日の「moyuk SAPPORO」開業日を迎える。2つの階段と2つのエスカレーターが共存する状態は、当面続きそうだ。