旧HBC本社跡地で建設中の複合ビル、大成建設が施工不良で建設やり直し

社会・文化

 大成建設(本社・東京都新宿区)札幌支店(札幌市中央区)は、現在建設中の仮称「札幌北1西5計画」で鉄骨建方(現場で構造部材を組み立てること)の精度不良を発生させた。これにより地上部分の全てと地下部の是正部分を撤去、再構築する。竣工予定は、2024年2月から2026年6月末に大幅に延びる。(画像は、「ハイアット セントリック 札幌」の外観パース=NTT都市開発提供)

 仮称「札幌北1西5計画」は、札幌市中央区の旧HBC本社跡地で開発を進められている複合ビル建設。事業主はNTT都市開発(本社・東京都千代田区)、設計は久米設計(同・同都江東区)、施工は大成建設(同・同都新宿区)。2021年10月に着工しており、2024年2月に竣工の予定だった。

 地上26階、地下2階建ての複合ビルの1階の一部と17~26階に「ハイアット セントリック」が入ることが決まっており、ホテル名は「ハイアット セントリック 札幌」、2024年春に開業する計画だった。「ハイアット」ブランドのホテルは、北海道では「パークハイアット ニセコHANAZONO」(虻田郡倶知安町)に次いで2施設目となり、観光関係者の期待は大きかった。

 今回、施工不良が分かったのは、発注者の指摘によるもの。大成建設が鉄骨建方の精度を検証した結果、複数ヵ所で発注者の品質基準を満たさない鉄骨建方とスラブ厚(鉄筋コンクリートの床の厚み)だったことが分かった。大成建設は、鉄骨精度測値を改ざんして発注者に報告していた。

 発注者の品質基準を確保するため、着工から1年半の間に組み上がった地上部分を全撤去するとともに地下の是正対象部分を撤去、あらためて建設工事を行う。

 大成建設は、建築部門責任者の寺本剛啓取締役専務執行役員建築総本部長兼建築本部長と平島信一常務執行役員札幌支店長からの辞任の申し入れを、3月16日に受理した。

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