プロ野球北海道日本ハムファイターズ(以下、日ハム球団)の新球場を核としたボールパーク(BP)の建設地決定まで1ヵ月を切った。道立真駒内公園の誘致を進める札幌市ときたひろしま総合運動公園予定地への誘致を目指す北広島市の誘致合戦が激しくなっているが、なぜか主役である日ハム球団の動きが緩慢だ。(写真は、新球場の建設構想場所になっているセキスイハイム屋外競技場)
BP誘致に奔走する自治体の報道が目立つからかもしれないが、本来なら日ハム球団が各自治体に日参して「お願いする」立場ではないのか。日ハム球団が土地を取得したうえで自治体に協力を要請するのが筋だ。北広島市は、上野正三市長が髙橋はるみ知事に協力要請、札幌市は吉岡亨副市長が山谷吉宏副知事に協力を要請したが、日ハム球団もそれぞれの陳情に同行するくらい意義込みが欲しい。これではまるで両市がBP建設をするような図ではないか。
もちろん札幌市民にしても北広島市民にしてもBP誘致を望む気持ちは強いが、固定資産税や土地代の減免などインセンティブを競い合うことに違和感がある。
北広島市の誘致場所は、原野に近い手付かずの土地だからBP誘致を機会に開発を進めようとする市の姿勢は理解できる。しかし、真駒内公園は既に市民、道民の憩いの場として定着しており、BP誘致には様々な制約が出てくるだろう。道立公園なのに道のスタンスが見えないのも不思議だ。
ともあれ、BP構想の1年間の動きを眺めてみるとやはり日ハム球団の“奥の院”ぶりが感じられてしようがない。建設地決定まで残り1ヵ月を切った中、今度は最終滑走よろしく日ハム球団が自ら踊る番だ。