「石原裕次郎記念館」解体進む

社会・文化

 小樽市築港の「石原裕次郎記念館」が閉館されてから6ヵ月、その建物が姿を消しつつある。記念館が育んできた裕次郎と小樽の結びつきは、人々の心の中に居場所を移す。間もなく更地になる記念館の跡地には、海風が吹き、雪が舞うことになる。FullSizeRender(写真は、解体が進んでいる石原裕次郎記念館)

「石原裕次郎記念館」が26年間の歴史に幕を閉じたのは、昨年の8月31日。裕次郎ファンだけでなく昭和を生きた同世代の人々は閉館を惜しんだ。最終日には3000人が訪れ、裕次郎の記憶を刻み込もうとする人たちで館内は溢れた。

 閉館の大きな理由は建物施設の老朽化。記念館のすぐそばは海で、塩気を含んだ海風は建物の老朽化を早めた。閉館後に買い手がなければ解体することが決まっていた。閉館から3ヵ月後の昨年11月下旬、施設所有者の西條産業(小樽市)は記念館の解体に踏み切った。解体はこの業界で多くの実績がある本間解体工業(札幌市西区)。総工費約28億円をかけた記念館は、今年3月には姿を消し更地になる。
 
 記念館の展示物だったロールスロイスは小樽市総合博物館に、裕次郎に関する書籍は小樽市図書館に、ヨットは小樽アリーナにそれぞれ寄贈されるが、多くの遺品は小樽を離れていった。記念館の跡地には、どんな新しい芽吹きがあるのだろうか。

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