候補地に加えられていたものの具体的に検討されることがなかったプロ野球北海道日本ハムファイターズの真駒内(札幌市南区)ドーム構想。ここにきて日ハム球団側が前向きに検討したい意向を示しているという。(写真は、ドーム候補地とされる真駒内屋外競技場)
真駒内案は、道立真駒内公園にある屋外競技場とその周辺が候補地になる見通しだが、札幌冬季オリンピック・パラリンピック誘致を控え、屋外競技場はスピードスケート会場になる可能性がありドーム建設と時期が重なる。真駒内案は、既に自治体の実務者同士で検討が進んでいる北広島市の「きたひろしま総合運動公園」、札幌市豊平区の「旧道立産業共進会場周辺」の2案に比べて解決、調整すべきハードルが多く実現可能性は薄い。
日ハム側が真駒内案を突如持ち出してきたのは、既に検討している2地区では面積が足りないのが一番の理由。球団が公表しているのは、3万5000人程度収容できるドーム球場とその周辺に商業施設やホテルなどを併設したボールパークで、敷地面積は20haが目安とされている。
屋外競技場とその周辺の道立真駒内公園一体は20haが確保できるためで、それ以外の理由は見当たらない。しかし関係者によると、「真駒内では、日ハムが描いているボールパークは実現できないだろう。せいぜいドーム球場は作るだけになる。しかも規模も3万5000人よりもっと小さくなる」と言う。もちろん、交通アクセスも課題。地下鉄真駒内駅から約2㎞離れ、五輪通の交通キャパシティも限界に近い。
日ハムの真駒内案が浮上してから、真駒内公園を所管する道庁には「反対」の電話が多数寄せられたという。一方、南区役所には1本の電話すらなかったという。地元の受け止めは淡々としている。