建物の外壁を残したまま内部は全焼――。9月30日夜に起きた札幌市中央区南1西7の木造2階建てビル「後藤会館」の火災は、隣接する京阪電鉄不動産が分譲したタワーマンション「ファインシティ札幌ザ・タワー大通公園」にも影響を与えた。延焼こそしなかったが、煙はマンションを容赦なく包んだ。(写真は、全焼した後藤会館=2017年10月1日午前撮影)
(隣接するタワーマンションにも煙の被害が広がった=写真)
9月30日午後6時50分ころ、札幌市中央区南1西7の飲食店などが入った後藤会館(木造2階建て)から出火。各消防署から消防車両など約50台が出動、会館の前を走る札幌市電も運行を見合わせるなど騒然とした。
木造2階建て約154坪を全焼。完全鎮火は1日午前5時半ころで、けが人などはいなかったという。原因は電気系統のトラブルとみられている。
後藤会館は、1932年に建設された木造ビルで、飲食店や会社事務所が入居していた。事務所の中には火災報知設備や消火設備の東京防災設備事務所もあった。
隣接しているタワーマンションは今春に完成したばかり。以前は空知信用金庫札幌支店が入っていた川原ビルが建っていた場所で、2014年8月同ビルは解体され、15年春から京阪電鉄不動産が31階建てタワーマンションの建設を進めていた。高層マンションと木造2階建ての建物が隣り合う光景はどことなく違和感を漂わせていた。
火災で全焼した同会館は解体が避けられそうにない。今後の跡地利用が市民の関心を呼びそう。ちなみに、南1西8には、かつてのカブトデコム本社があった15階建てのクリスタルタワーがある。