プロ野球北海道日本ハムファイターズの新球場構想を巡り、広告代理店のインサイト(本社・札幌市中央区)が実施した道民アンケートで新球場建設場所として「北広島市(総合運動公園)」を希望すると答えた人が37%とトップだったことが分かった。札幌市内の「八紘学園周辺」は30%、「北海道大学構内」は27%という結果だった。(写真は、5月に完成した北広島市役所の新庁舎)
このアンケートは5月中旬、道内在住の15歳以上男女1000人にインターネットで実施。インサイトは、自社で運営する札幌駅前の大型ビジョンを、日ハムと協力して3月末から「ファイターズビジョン」としてファイターズ主催試合を全試合生放送するなど日ハムとの関係は濃い。
そのインサイトが実施したアンケートだけに日ハムの意向を全く忖度(そんたく)していない訳ではなさそう。アンケート結果を裏読みすれば、現時点で日ハムは「北広島市」に重きを置いていると捉えられなくもない。このアンケート結果は、読売新聞北海道版が8日、日経新聞北海道版が9日に報じ、なぜか道内最大部数の北海道新聞は11日現在、報じていない。
日ハムと北広島市はすでに7回の実務者協議を終え、都市計画法に基づく用途地域の変更や交通手段などに踏み込んでいる。札幌市との実務者協議は2回行っているが、北広島市と日ハムの協議のように具体的事項に入ってはいない。2回目で札幌市は、地下鉄福住駅近くの雇用促進住宅の土地を「飛び地」としてホテル建設などの利用を提案したが日ハムは乗らなかったという。
札幌市や経済界は日ハムに新球場誘致に関して、これまで前のめりに対応してきたが、ここにきて揺り戻し気味。昨年暮れから第1回の協議が開かれた5月までは「是非、市内で」の動きだったが、最近は「是々非々」の動きに変わってきた。つまり誘致に向けて深追いはしないということ。
日ハムは今年度内に新球場建設場所を決める考え。果たして37%は背中を押すのだろうか。北広島市長選挙は7月9日に実施されるが、上野正三市長の4選も絡みながら北広島市への風が吹いているようだ。