熊本地震は内陸地震の恐怖をあらためて示したが、地震発生の10日ほど前に放映されたNHKスペシャル「巨大災害」は恐ろしいほどに熊本地震の可能性に言及していた。GPS分析で分かってきたプレートを構成するいくつものブロックの存在。そのブロックの境目付近で地震発生の可能性が高いという専門家の指摘だ。(画像は、NHKスペシャル巨大災害『地震列島』の番組で紹介された北海道部分のブロック境界)
4月14日以降に発生して熊本から大分にかけて大きな被害をもたらしている地震は、丁度そのブロックの境目にあたる。4月3日に放映されたNHKスペシャル巨大災害~「地震列島」見えてきた新たなリスク~をあらためて視聴すると、背筋に冷たいものが走る。
かつて地球の表面は10数枚の薄いプレートで構成されていて、そのプレートがそれぞれ複雑な動きをすることによってプレートの境界付近で大地震が発生するというのが定説とされていた。しかし、番組で紹介されたのはこの10数枚のプレートがさらにいくつもの細かいブロックに分かれているというもの。最新のGPS分析によって細かいブロックの存在と動きが分かるようになったと報告している。
番組ではハーバード大のミード教授がこう話している。《GPSデータでプレートの本当の姿が見えてきた。日本列島は列島を複雑に分断しているブロックの上にある》。
プレートを構成するブロックの境目で起きた大地震は、濃尾地震(1891年)、21年前の阪神大震災、中国・四川地震(2013年)などがあると紹介した。そしてまさに日本列島のブロックの境目のひとつが熊本から大分にかけて存在している。どれくらいの周期でどれくらいブロックがずれると地震が発生するのかは明らかにされていないが、地震のリスクは高い地域だったと言える。
日本列島の複雑な地形を考えるとどこもリスクに晒されている訳で、北海道も例外ではない。ミード教授の分析によると北海道は4つのブロックがあって東西と南北にその境目が走っている。確かにブロックの境界付近にある奥尻島や十勝沖では大きな地震が発生している。しかし、道北にかけての地震はあまり聞かない。北の大地に潜む地震のリスクにどう向き合うか、Nスペの番組は1人ひとりに問いかけている。