全道ハンディキャップスキー大会で56人が熱戦 札幌稲雲高校生も運営協力

社会・文化

 身体障害や知的障害などのハンディキャップを持つ人たちのスキー大会が27日、札幌テイネ聖火台オーシャンコースで開催された。北海道ハンディキャップスキー協会と札幌大通ライオンズクラブが主催するこの大会は、通算37回目で同ライオンズクラブが関わるようになってからは20回目。陽光が照らす斜面を、ハンディを持つスキーヤーたちが次々と滑走していった。IMG_3354IMG_3370(写真上は、後方のガイトの掛け声とともに滑る視覚障害の参加者。写真下はチェアスキーに挑む参加者)

 コースのコンディションは、この時期としては良好。春の日差しが照りつける平均斜度15度のコースを、70~500mまで力量に応じて4クラスに分かれ、下は6歳から上は66歳まで56人が日ごろの練習成果を競いあった。
  
 1本スキーやチェアスキーで滑る人、視覚障害で後ろからガイドの声掛けで滑る人など障害に程度によって滑り方は様々。勢いよく駆け抜けていく人もいれば、おそるおそる慎重に滑っていく人もいた。上級者のAクラスはタイムを競うレースもあるが、事前に申告したタイムと実際に滑ったタイムの差で競うのが基本。その差が小さい人から順位が決まるもので、今回の優勝者の中には0・08秒差という人もいた。
 
 大会には、3月はじめにポーランドで開催された知的障害者アルペンスキー世界大会に出場、大回転とスーパー大回転で優勝した田川諭史選手(43)も参加、タイムレースでは2位に入った。
 
 競技後にはクラブハウスで表彰式が行われ、各クラスの1位から3位までにメダルや盾が贈られた。主催者の道ハンディキャップスキー協会の小林俊勝会長は、「この大会は、札幌大通ライオンズクラブの支援がなければ開催できないので大変感謝している。世界で活躍する田川選手もこの大会で実力をつけていったように、より多くの選手がこの大会を通して世界を目指して欲しい」と挨拶した。
 
 表彰式の最後は、同クラブ会員で自身も障害者スキーの世界大会に何度も出場した経験がある野呂幸司氏(道ハンディキャップスキー協会参与)が拳を突き上げて参加者と一緒に、『シーハイル』(ドイツ語でスキー万歳の意味)を三唱、来年の同大会での再開を誓って閉会した。
 なお、この大会には札幌稲雲高校の生徒49人がボランティアとして運営に協力した。稲雲高校のボランティア参加は今年で19年目になる。
IMG_3385IMG_3416(写真上はタイムレースでの表彰式。左は2位に入った田川選手。写真下は野呂氏の掛け声によるシーハイルの三唱)

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