新千歳空港の空港ビルに併設された映画館「じゃがポックルシアター」を会場に開催された「新千歳空港国際アニメーション映画祭2015」が4日間の日程を終え、3日午後6時から閉会式が行われた。1103本の応募があったコンペティション部門のグランプリに輝いたのは、トム・ブラウン監督とダニエル・グレイ監督による『ティース』。2人は会場には姿を見せなかったが映像で受賞のメッセージが流された。(写真は、受賞者らが壇上に勢揃いして別れを惜しんだ閉会式)
今年で2回目となった同映画祭では、世界各国から応募された短編アニメのコンペティションや招待作品など200本以上のアニメが上映された。また、監督や声優たちのトークショー、センタープラザでは、アニメに因んだ等身大フィギュアや関連展示も行われ。空港はアニメ映画祭一色になった。
今回から新たに設けられたのは「ミュージックアニメコンペティション」と日本のアニメ監督・作家を応援する「日本コンペティション」の2部門。「ミュージックアニメコンペティション」部門は、ひと足早く31日に初代グランプリが決定。デビッド・ウィルソン監督とクリスティ・カラカス監督による『ロイヤル・ブラッド・アウト・オフ・ザ・ブラック』で実写とアニメのコンビネーションが印象的だった。
コンペティション部門は、応募された1103本のうち事前審査を通過して上映された18ヵ国51作品から選ばれた。閉会式では、スポンサー賞や観光庁長官賞、観客賞、キッズ賞などが発表され、日本コンペティションの初代グランプリには幸洋子監督の『ズドラーストヴィチェ!』が受賞した。幸さんは、「ここに来る飛行機に乗り遅れて列車で来たが、いろんな国の人に見てもらったのが嬉しい」と受賞の喜びを話した。
最後に発表されたグランプリには『ティース』が選ばれた。両監督は現地から受賞のメッセージをビデオ映像で寄せたが、それ自体が作品のような構成になっており会場から盛んな拍手が贈られた。この作品は、物事の本当の価値について、間違った方向に強烈なフォーカスを当てる男を描くことによって本当の価値とは何かを浮かび上がらせる5分56秒の作品。
フィナーレでは、受賞作品の監督や審査員らが壇上に勢揃いして来年の再会を誓い合っていた。