10月31日から11月3日まで新千歳空港ターミナルビル内の映画館などで開催される「新千歳空港国際アニメーション映画祭」のイベント概要が8日、明らかになった。同映画祭実行委員会(委員長・小出正志東京造形大教授、日本アニメーション学会会長)が札幌市内で発表したもので、コンペティション部門では応募作品からノミネートされた世界17ヵ国45作品が上映されるほか国内外の著名な作品の上映、アニメ製作体験なども行われる。同映画祭は今回が初開催。(写真は、新千歳空港国際アニメーション映画祭の概要記者発表。写真左から小出正志実行委員長、古川タク名誉委員長、エントリー作品を審査した土居伸彰アニメーション研究・評論家)
コンペティション部門では、世界46の国と地域から715作品がエントリーされ、審査によって上映されるノミネート作品が決定した。世界で活躍するアニメーション作家の和田淳氏や水江未来氏、エストニアの巨匠アニメーション作家プリート・パルン氏などの作品も入っている。審査から外れた作品のうち注目度の高い国内外33作品はパノラマ作品として参考上映される。ノミネート作品からクリス・ロビンソン審査委員長ら3人による審査でグランプリ(賞金100万円)、新人賞(同30万円)など5つの賞を選ぶ。
招待プログラムでは、大友克洋監督の『AKIRA』(1988年製作)が北海道発の爆音スタイルで上映される。爆音上映とは、通常の映画用音響ではなく音楽ライブ用の音響セッティングを使うもので圧倒的な映像とサウンドで提供するもの。また、漫画家石ノ森章太郎の原作で宮崎駿氏も原画スタッフとして参加した『空飛ぶゆうれい船』も35㍉フィルムで上映、日本では未配給だが世界的に注目の高いアニメーション作品も上映する。特別ブログラムとして人気沸騰中の魔法少女まどか☆マキカ劇場版3作品もオールナイトによる一挙上映を行う。
さらに、マジンガーZやデビルマンで有名な漫画家、永井豪氏を招いたトークセッションと関連作品の上映も実施する。そのほかワークショップでは、新千歳空港3階の「イベントホール翔」で東京芸大教授の布山タルト教授による子供向けアニメーションづくりの体験も開催する。
実行委員長の小出氏は、「新千歳空港は映画館や温泉、ホテルなど街の機能がコンバクトに凝縮しており多くの人が集まる場。アニメファン以外にも多くの人に見てもらいたい。アニメ映画祭として30年の歴史がある広島に次ぐものとして世界に発信するアニメ映画祭に成長させたい」と語った。実行委員会で期間中に1万人の来場を見込む。チケットは1000円から4日間通しの2500円まで。なお、実行委員会メンバーには「初音ミク」を開発したクリブトン・フューチャー・メディアの伊藤博之代表取締役も名を連ねている。