プロ野球パ・リーグで北海道日本ハムファイターズが28日、4年ぶり7度目のリーグ優勝を果たした。札幌で北海道の各地で、そして全国で勝利を祝う声が沸き起こっている。とりわけ今年は大きな爪痕を残した災害が北海道を襲ったため、日ハムの優勝は被災地住民や道民に大きな励みになることだろう。P1090158(写真は、日ハムがリーグ優勝を決めた時のNHKBS画像)

 2004年の北海道移転以来、12年間で5回目の栄冠だが、今年はより感慨が深い人が多いのではないか。6月には首位と11.5ゲームも離され、一時は道民にも諦めムードが。しかし、交流戦の終盤からは破竹の15連勝。明らかに試合に臨む選手たちの気持ちが切り替わったのを道民の多くが感じたに違いない。
 
 何より選手たちの成長が実感できたシーズンだった。技もさることながら一つひとつのプレーに対する責任感や野球の後ろにある“野球道”というものに選手全員が目覚めたような印象を受けた。手を抜かず全力で取り組む姿は、多くの人の生き方に少なからず影響を与えたのではないか。
 
 就任5年目で2度の頂点を導いた栗山英樹監督は、優勝インタビューで『北海道も台風で苦しんだ。だから我々も絶対に苦しいと言ってはだめだと思っていた。北海道の皆さんの力で我慢して勝ちきれた』と述べている。このコメントは珠玉と言って良いのではないか。

 普通なら『台風災害で苦しんでいる北海道に元気になってもらいたいと頑張った…』と言うだろう。そんな予想を良い意味で裏切った栗山監督。まさに“共感力”が生んだ優勝コメントだったと思う。この一言で道民はますます日ハムが好きになった。


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