北方ジャーナル9月号発売! 今月のトップは、独自に深層を追う「乙部盗撮事件 道新が書かない男性記者の影」

マスコミ

「北方ジャーナル」2025年9月号が、きょうから店頭に並んだ。今月のトップは、独自に深層を追う「乙部盗撮事件 道新が書かない男性記者の影」だ。7月中旬に地元紙が伝えた、ある盗撮事件。追って共同通信やNHKも報じたその出来事は、自治体職員が女性新聞社員の下着を撮影して処分されたという側面のみが伝わるところだが、関係者らが把握する事実はそれだけに留まらない。事案の発生から当事者の処分までに半年以上の時間が費やされた背景には、いったい何があったのか。被害者の勤務先・北海道新聞が自社の紙面に書き残さなかった情報を、ここに記録しておく。(画像は、北方ジャーナル9月号の表紙)

 本誌面で報告を始めてから4年あまりが過ぎた、公立看護学校のパワーハラスメント問題の続報だ。既報の通り、教員のハラスメントを苦に学生が自殺した事案では、学校設置者の北海道が第三者調査で認定されたパワハラと自殺との因果関係を否定し続けている。苦渋の決断で道を訴える裁判を起こした遺族は今夏、2度めになる口頭弁論の法廷で改めて意見陳述に臨んだ。語られたのは、亡き長男が残した言葉の数々。同じ空間に、深く頷く傍聴人の姿があった。

 自治体と酪農における注目すべき復興レポートがこちら。コロナ禍での生産抑制やウクライナ戦争による飼料高騰などで地盤沈下した酪農が、根室管内の中標津町(西村穣町長)で再生の時を迎えている。乳業大手2社が工場を新設・増設を決め、20代の若者や外国人材が復興の一端を支える。人口減少の波に洗われる道内の自治体の中で気を吐き、識者から「中標津モデル」として注目される同町の活気を帯びた現在を報告する。

 1期目を折り返した函館・大泉潤市長へのインタビューも興味深い内容になっている。2023年4月の函館市長選で圧倒的な民意を受けて初当選した大泉潤市長(59)。まったなしの人口減少問題に全庁的な「人口減少対策本部」を立ち上げ子育てや教育支援に乗り出したが、足元では合計特殊出生率が初めて「1」を割り込むなど厳しい状況が続く。公約で注目された北海道新幹線のJR函館駅乗り入れは、札幌延伸の延期で不透明さが増した印象だが、「目標に変わりはない」と決意は揺るがない。その一方で就任後、さまざまな形で函館にスポットライトがあたり、地元の注目度と存在感がいや増しているのも事実。それぞれの課題に向き合いながら「まちの小さな声を聞くことは私の原点」と語る大泉市長にまちづくりの現状と展望を訊いた。

 このほか2ナノ半導体試作品でトランジスタ動作を確認したラピダスの動きをはじめ、口頭弁論が再開された「江差パワハラ裁判」の現状、旭川の森山病院・安栄良悟医師に脳神経外科の「いま」を訊くメディカルレポートなどもオススメ。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル9月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。

※9月号主要コンテンツ
【報道】
■自治体と報道に問われるガバナンス──盗撮で懲戒処分の乙部町職員。発生半年、対応遅れた事情とは
■問われる職場の安全配慮義務──室蘭・新人看護師パワハラ自殺、遺族の裁判続く
■告発・絶望の学府〈39〉──江差パワハラ裁判・弁論再開で七回忌前に遺族が法廷で陳述
■道東の小さなまち中標津町の大きな挑戦──酪農に見えてきた曙光、若者と外国人が支えるまちづくり
■道警不祥事から考える〈79〉──【25年上半期速報】児童買春など未発表か。賭博など軒並み「減給」留まり
■“核のゴミ”レポートPART44──「ほろのべ核のゴミを考える交流会」と寿都町長選の行方

【ニュース】
■公開映画『でっちあげ』の原作者、福田氏の講演会を旭川で開催へ
■ラピダスがもたらす環境問題で懸念されるPFAS以外の影響
■札幌高検トップに山田氏が着任。国民の信頼「公正な法の適用」で
■初出展した小樽ほほえみフェスタで家族交流会がひきこもり問題を啓発

【経済】──ラピダスが2ナノ半導体試作品で動作を確認
■世界にないイノベーションに向け会社一丸で超えた大きな中間目標

【環境】──札幌市・山口処分場への新幹線残土搬入問題を追う
■「粉塵中のヒ素」の測定を求める住民陳情を札幌市議会が不採択

【環境】──「苫東厚真風力発電を考える会」が学習会
■国が計画見直しを求めた事業の健康被害に厚真町住民が危機感

【シリーズ・住宅不動産情報】(32)──消えゆく札幌市街地のミニランドマーク
■市内各地で解体・建て替えの動き。「地域の歳月」を刻んだ半世紀に幕

【地域】──1期目を折り返した函館・大泉潤市長に訊く
■小さな声を聞き、函館に注がれる熱い視線を「次のまちづくり」に生かす

【医療】──旭川の森山病院・安栄良悟医師に訊く脳神経外科の「いま」
■脳神経線維を傷めない手術を確立、訪問看護とのコラボで延びる余命

【観光】──2025 道内観光情報
■いま秋色を探す旅へ──【美深、留萌、羽幌、網走、大空、函館、浦河】

【企業】──体制固めが奏功、エコミックが反転攻勢へ
■バックオフィス業務を引き受けて日本企業の生産性向上をサポート

【農業】──北の大地を拓く新・農業人【5】
■まちをオーガニックビレッジに導いた有機農業のフロンティア・安平町の小路健男さん

【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(120)──レタポスとの連携で進化する北見市社会福祉協議会の取り組み
●戦争遺産をめぐる旅(116)──シベリア抑留の苦難を伝える京都府の「舞鶴引揚記念館」

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