「北方ジャーナル」2025年7月号が今日から店頭に並んだ。今月のトップは気鋭のルポライター滝川康治氏による「“令和の米騒動”の真相と深層を北大名誉教授の三島徳三さんに訊く」だ。(画像は、北方ジャーナル7月号の表紙)
大凶作が続いたわけでもないのに、政府が保有する備蓄米が放出され、消費者は“2千円の米”を求めては列をなす……。主食用米の需給の逼迫は、コロナ明けにともなう消費の回復や猛暑による高温障害と精米歩留りの低下など複合的な要因によるもの。そんな中で「食糧法」の主旨を拡大解釈し、虎の子の備蓄米に手をつけるようでは、本格的な食料危機の時にはお手上げになるのではないか──。そこで、50年以上にわたり農産物の流通問題を追究してきた農業経済学者の三島徳三さん(北大名誉教授)を訪ね、「平成の米騒動」が起きた背景や矛盾点、今後の課題などを訊いた。主食の米をめぐる騒動を紐解く注目インタビュー、その前編をお届けする。
独占の道警不祥事追及シリーズにも刮目。前号で報告した地元警察の直近の不祥事記録についての続報だ。不祥事記録で報道発表されなかった事案の中に、深刻な法令違反として捜査されていたケースがあることがわかった。その事実は、公文書開示請求で入手した記録をもとにした“第2弾”の開示請求を経ない限り確認できなかったと言ってよい。処分関係の文書に「勤務規律違反等」の言い回しで記されていた不祥事は、警察官による現金窃盗事件だった――。
本誌が「絶望の学府」と名付け、自殺学生まで出した江差看護高等学院のパワーハラスメント問題で、当事者の元教員らが加害者としての自覚を欠いたまま現場を去っていたことがわかった。パワハラを苦に自殺した学生の遺族が起こした裁判で、それらの証言が残る記録が証拠提出されていたのだ。審理が非公開で進む中、裁判記録の閲覧を通じて確認できた事実のいくつかをここに記録しておきたい。
人気連載【シリーズ・住宅不動産情報】の特別版にも要注目。人口減少が全国よりも早いペースで進む北海道。地域の過疎化にも拍車がかかっているが、そうした中で地方はもとより都市部でも廃墟のような建物や家屋が目に付くようになった。これらは倒壊の危険性だけでなく景観も損ない、閉塞感を一層高める要因にもなっている。その一方で海外投資が盛んなニセコエリアやラピダスで沸く千歳市は、全国トップクラスの土地価格上昇率を弾き出している。二極化が進む北海道の住宅不動産を取り巻く現況、そして廃墟化の一因になっている自治体の固定資産評価の問題とは何か。不動産鑑定士で関連著書を多く上梓している、北央鑑定サービス(札幌)の堀川裕巳代表(78)の答えは「いま、北海道があぶない」だった──。
苫小牧信用金庫(本店苫小牧市・小林一夫理事長)が5月9日、法令遵守や経営管理に問題があったとして北海道財務局から業務改善命令を受けた。同信金は、信用金庫法で禁止されている不動産関連業務を営む子会社を有し、以前から同金庫と人事・業務面で関係性が深かったにもかかわらず、理事長、会長を歴任した元理事、窪田護氏(86)の指示と関与により事実関係を当局に隠蔽していたという。道財務局は「独裁的な経営に過度に依存し、風通しの悪い組織文化が醸成されてきた」と同金庫を厳しく非難している。
昨年来、活況だった株式市況がトランブ関税によるショックで冷や水を浴びせられた。資産形成の環境は激震に見舞われ、先行きに不透明感が漂っている。そんな中、「トランプショックは、良い機会」と話すファイナンシャルプランナーの須藤臣(すどう・とみ)さんに現在の経済環境で資産形成のポイントとは何かを訊いた。
新規就農関係のレポート2本のほか、インテリジェントホスピタル、カレス記念病院のメディカルレポートなどもオススメ。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル7月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。
※7月号主要コンテンツ
【報道】
■「令和の米騒動の真相と深層」を北大名誉教授の農業経済学者・三島徳三さんに訊く(前編)
■道警不祥事から考える(78)──警官窃盗「訓戒」で非公表。発表事案では保釈後に再犯も
■江差看護パワハラ・未公表聴取録で判明した関与教員らの「加害否定」と差別的発言
■国に断罪された苫小牧信金の窪田護元理事長 独裁経営が生んだ法令違反とガバナンス不在
■【シリーズ・住宅不動産情報】㉚──不動産鑑定士の堀川裕巳氏に訊く
「いま北海道があぶない。廃墟化と高騰で起きる悲喜劇、不動産価値が二極化する道内」
【ニュース】
■対ロ関係の悪化を受けて強まる中央アジアへのビジネスシフト
■大手メディアは“負の側面”伝えず 電力需要めぐる情報公開も落第点
■家族交流会と塩谷福祉会が小樽市に、ひきこもりへの理解を求める要望書
■小樽まち文化博物館で「回転レストランと宿文化」を題材に講演会開催
■違法逮捕国賠、今秋証人尋問へ 問われる警察の無令状強制捜査
■陸自パワハラ裁判で「訴訟告知」 元幹部職員らの賠償責任明確に
■元役員の損賠請求が和解で終結苫ガス燃料・社長暴言など告発
【資産運用】──夏のボーナス特集・ファイナンシャルプランナーの須藤臣さんに訊く
■「トランプショックに重なるインフレ、投資と節税を賢く選択して一歩前に」
【医療】──注目の〝インテリジェントホスピタル〟カレス記念病院の浅香正博院長に訊く
■「カレス記念病院は、新時代に向け北光記念病院と時計台記念病院を発展統合」
【医療】──第18回医療講演会「ハートセミナー」
■札幌心臓血管クリニックで、ますます進化を遂げる「低侵襲治療」とは
【農業】──Agri Report・北の大地を拓く新・農業人【4】新天地で営む平飼い養鶏
■石狩市の「飛ぶ鳥農場」──荒れた土地を整え次の世代に農業というバトンを渡したい
【地域】──風力発電反対運動の男性が仁木町銀山地区で取り組むコメづくり
■紆余曲折を経て叶えた新規就農した穂積豊仁さん 夢は命と地域を支える稲作農家
【長期連載】──ルポ「ひきこもり」(118)
コミュニティスペース「小樽に暮らすみんなの部屋 オタルブ」に生まれる存在感
【新・連載小説】──ススキノの現役ママによる夜の活写
■「メンタルエース」 女の子は何を求めてホストの世界に傾斜するのだろう