道警元総務部長の佐々木友善氏(70)は、道警裏金に関する単行本を巡る民事訴訟で道新記者が証言した内容が偽証だったとして3度目の告発を札幌地検に行っていたが、同地検が不起訴にしたことを受けて19日にも札幌検察審査会に審査申し立てを行う。2度目の告発でも地検の不起訴で同審査会に審査申し立てを行ったが同審査会は不起訴の議決をしている。3度目の今回は被疑者を4人以上としており審査会の判断が注目される。(写真は、検察審査会に2度目の審議の申し立てを行う佐々木友善元道警総務部長)
佐々木氏は、道警の報償費を利用した裏金作りに関する書籍で名誉を毀損されたとして、北海道新聞社と同社記者2人、 本を出版した講談社、旬報社に損害賠償などを求めて2006年5月に提訴。09年4月の一審判決で佐々木氏は勝訴、10年10月の控訴審でも原告勝訴し、11年6月には最高裁が上告棄却して原告勝訴が確定した。
裁判の被告側証人として出廷した道新記者の証言が虚偽だったとして佐々木氏は10年12月に記者を札幌地検に偽証罪で告発したが、11年1月に地検は不受理。同年5月に佐々木氏は2度目の告発を行い地検は同年11月受理。しかし、嫌疑不十分で12年7月に不起訴処分を下した。佐々木氏は、この処分を不服として札幌検察審査会に審査申し立てを13年10月に行った。しかし、その後、同審査会は不起訴の議決をした。
佐々木氏は3度目の告発を地検に行い、14年3月地検は不起訴とした。この不起訴を受けて佐々木氏は19日にも同審査会に審査申し立てを行う。1度目と2度目の告発では偽証は記者1人を対象にしていたが、3度目の告発では記者4人以上を被疑者としており組織的な偽証だったことを裏付ける資料を提示していた。検察審査会は民間人11人で構成され、8人以上が起訴相当と認めれば地検に戻され再捜査が始まる。