酪農学園大と石屋製菓が包括連携協定、第1弾は「日本一のソフトクリームをつくろう」

道内大学・教育

 酪農学園大学(江別市)と石屋製菓(本社・札幌市西区)は2024年12月20日、包括連携協定を締結、「北海道スイーツカレッジプロジェクト」をスタートさせた。同大で生産されている生乳などを利用、同大教職員や学生、系列高校の生徒と同社社員が連携、産学一体となった商品開発や循環型農業の構築、人材育成につなげる。酪農学園大が、こうした包括連携協定を結ぶのは初めて。(写真は、「北海道スイーツカレッジプロジェクト」キックオフの記念撮影)

 酪農学園大を運営する学校法人酪農学園は、「学生、生徒、社会にとって魅力的な学園をいかにつくり、社会に貢献し続けるか」(髙島英也理事長=サッポロビール元社長)という問題意識の下、ものづくり企業として農業、畜産と関わりが深い石屋製菓との提携を模索。髙島氏と親交があるコープさっぽろ・大見英明理事長が、石屋製菓の社外取締を務めている縁もあって、今回の包括連携協定につながった。協定締結まで半年間をかけて、具体的な中身を双方で検討、「北海道スイーツカレッジプロジェクト」と名付けることにした。

(写真は、包括連携協定書を持つ酪農学園大学の岩野英知学長=左と石屋製菓の石水創社長)

 プロジェクトの骨子は、①北海道の食と農を担う未来の人材②北海道の食をもっと楽しくするFun!な共創③北海道の農を支える新たな可能性の研究開発④地域の課題解決を考える・集いたくなるコミュニティの創出へーーの4点。最初に手掛けるのは、石屋製菓が、今年6月に社内で始動させた「日本一のソフトクリームをつくろう」プロジェクトを同大学と共創するもの。
 
 酪農学園大では現在、約160頭の乳牛を飼育しており、そこで生産される生乳の一部を利用して、学生や教職員、石屋社員がタッグを組む。新商品は、2025年夏までに開発、恒例の新千歳空港ソフト・アイスクリーム総選挙に出品、日本一を目指す。また、同社が、同大で飼育している牛1頭のオーナーになり、「ISHIYAの牛さん」と名付けて飼育に関与するほか、牛のふん尿を利用した、バイオガス発電プラントの排熱を利用した温室栽培で、バニラなどの栽培を検討する。また、同社が、同大学生向けの奨学金制度も創設する。

 この日、同大研修館で行われた包括連携協定締結式で、石屋製菓の石水創社長は、「当社は、150年ファームを通じて一次産業にも携わっているので、酪農学園大の知識、知見を共有して、北海道の一次産業に寄与していきたい」と話した。また、酪農学園大の岩野英知学長は、「石屋製菓と提携して、学生が、一緒に学べる機会を得られることはありがたい。実学的学びが得られることを期待したい」と述べた。

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