18歳人口の減少で大学の再編淘汰は時間の問題と言われている。国公立大学はそれぞれ独立法人化して外部から理事を導入するなど、生き残りのための大学改革を積極化しているのに比べて、私立大学の取り組みはなかなか進んでいない。とりわけ、道内にある20数大学は、よほどの特徴がなければ10年後には半減、あるいは半減以下しか残らない状況に陥るかもしれない。
某私大理事長は、「私大業界はタクシー業界と同じ。台数が増えすぎて空車ばかりが目立っているが、大学も校舎ばかりが立派でも肝心の学生がまばらという状態。強い大学はますます強くなり、弱い大学はますます弱くなる傾向が強くなるだろう」と弱肉強食が常態化していると指摘する。
道内私大で将来的に生き残れるのは、よく言われているように「北海、北星、藤」の3大学。その3大学を核に他の私大がグループ入りできるかどうかだろう。
例えば、プロテスタント系の大学として知られる藤女子大は同じプロテスタント系の遺愛女学院(中・高)や酪農学園とグループを作ることは可能だし、学科がぶつからない文科系と非文科系の組み合わせもあるかも知れない。
道内では専修短大や北海道東海大学旭川校が閉校を決めるなど、再編淘汰の足音は迫っており、生き残りへの改革にもはや時間の余裕はない。
大学経営を担うのが理事会であり理事長。理事長は、企業で言えば社長であり、理事は取締役ということが出来る。教授会が執行役員というところだろうか。
しかし、今の私大経営を見ると、理事会と教授会の対立があちこちで見られる。経営改革を進めたい理事会と現状維持を貫きたい教授会は水と油の関係のように、一向に交わらないようだ。一部の大学では、理事長ポストがまるで天下りポストのようになっているし、理事長に75歳以上の後期高齢者が就いている大学もある。大学改革は、まず理事会改革、教授会改革から始めなければならないようだ。
(写真は生き残りは確実と見られている北海学園大学)