北海道大学名誉教授で昨年4月に道都大学(北広島市)の理事長兼学長に就いていた濱田康行氏(67)が3月31日付で退任する。同大の今春の入学生を20%強増やしたことで一定の役割を果たしたが昨年末に行った教職員の希望退職募集が想定した人数よりも少なかったことなどの責任を取り辞職することにしたという。(写真は濱田康行氏)
道都大を運営する学校法人北海道桜井産業学園は2年前から通信制大学星槎大などを運営する学校法人国際学園(横浜市)と業務提携、昨年4月に濱田氏が理事長兼学長に就任していた。濱田氏は、2010年3月に北大大学院経済学研究科教授を定年前に退官し、札幌国際大学学長(札幌市)に就任、4年間務めた後、道都大に移った。
道都大は国際学園との提携により経営改善を進めているが、濱田氏は学生数の確保を最優先に今春の入学生を例年より25%ほど増やすなど一定の実績を残した。一方、昨年12月から今年1月にかけて実施した教職員の希望退職では想定した人数に達しなかったことから、3月23日の理事会で身を引くことで財務改善に結び付けることを提案、了承された。濱田氏の退任によって秘書課も廃止される。
後任の学長は、同大経営学部長の山本一彦氏(62)、理事長には北海道産業学園常務理事(国際学園出身)が4月1日付で就任する。
濱田氏は、昨年11月から空席だった公益財団法人はまなす財団理事長を務めており、4月からは半常勤になる。また、全国大学生協の共済連会長も継続して務める。
はまなす財団の専務理事は千葉俊輔氏(北電出身)。千葉氏は、濱田氏が北大教授のころにビジネス界代表としてプロジェクトを一緒に組んだことがある。濱田氏は、「はまなす財団で各地の地方創生の取り組みに協力していきたい」としている。