サツエキイーストに「カレス記念病院」がオープン、災害に強いインテリジェント病院

医療関係

 社会医療法人社団カレスサッポロ(本部・札幌市中央区)が、2022年6月から札幌市東区北6条東3丁目の旧札幌卸センター跡地に建設していた「カレス記念病院」(320床)がこのほど完成、2025年4月1日にオープンした。(写真は、JR札幌駅から徒歩10分圏内とアクセスにも優れた「カレス記念病院」)
(写真は、正面玄関前で行なわれたテープカット=2025年3月29日午前)

 これに先立つ2025年3月29日には、新病院1階での神事の後、正面玄関で、大城辰美理事長ら関係者6人によるテープカットが行なわれ、その後、3階のカレスホールで催された落成式には約200人が集まり、落成を祝った。

(写真は、落成式で病院事業の集大成として胸を張る大城理事長)

 落成式では、最初に大城理事長が登壇。「これまでの病院は、医療者側の考え方を反映して建設され、利用者側の要望は、あまり反映されてこなかった。入院すると、治療費よりも個室の差額料金が高いケースも散見されるが、当病院は、入院患者の経済的負担を抑えて、個室の差額料金がかからないようにした。私自身、40数回にわたって病院建設に携わってきたが、今回は、149回もの打ち合わせを通して、徹底的に利用者目線にこだわって建設された病院である」と胸を張った。

(写真は、挨拶する浅香院長)

 続いて、新病院の院長に就任した浅香正博常務理事(元北海道大学病院長、元北海道医療大学学長)が挨拶。浅香氏は、「医者や看護師は何かと忙しく、息つく暇もないが、当病院には、各階にスタッフラウンジが設けられ、そこで少しの間でも寛げる工夫がなされている。工事関係者をはじめとする皆さま方に、素晴らしい病院をつくってもらったので、その中に魂を入れるのが私たちの使命。患者が、1日でも早く社会復帰できるように全力を挙げて頑張りたい」と感謝と意気込みを語った。

(写真は、挨拶する西松建設・濵田一豊取締役専務執行役員建築事業本部長)

 その後、設計施工を担った西松建設(本社・東京都港区)の濵田一豊取締役専務執行役員建築事業本部長、日揮(本社・横浜市西区)の山口安春社長執行役員、岩田地崎建設(本社・札幌市中央区)の関博之副社長らに、大城理事長から感謝状と記念品が贈られた。また、建設を担当した西松・日揮・岩田地崎特定建設工事共同企業体の松藤陽一所長にも、感謝状と記念品が贈られた。大城理事長は、「これまで多くの病院建設に関わってきた中で、今回の建設現場は、良い病院をつくろうという熱気が一番だった」と述べ、異例の感謝状贈呈となった。

(写真は、関係者による鏡開き)

「カレス記念病院」は、カレスサッポロが運営してきた時計台記念病院(同市中央区)と北光記念病院(同市東区)を移転統合したもので、地下1階、地上8階建ての鉄骨造、一部鉄筋鉄骨コンクリート造。延べ床面積は約1万5327坪(5万580・59㎡)で、総事業費は約200億円。病床数は320床(うちICU=集中治療室とCCU=冠動脈疾患集中治療室8床)で、セル看護方式(患者に寄り添い看護に専念する看護提供方式)を導入。最上階には、感染症対応の陰圧個室18床も備えた。低層階には、ツルハ(本社・札幌市東区)が展開するクリニックと調剤薬局が入居する「ダ・ヴィンチモール」棟を備え、東4丁目通側の1階には、「ローソンカレス記念病院店」も入居している。

 災害への備えも万全。電力は、隣接する北海道ガスのガス発電所から直接供給され、水道は、施設内に設置した井戸で汲み上げた水を、浄水装置を通して利用する。地震などが起きても電力、ガス、水道のバックアップ体制が構築されており、「ダ・ヴィンチモール」内のツルハドラッグ店舗内商品を病院備蓄として使用でき、国内でも屈指のBCP(事業継続計画)対応病院となっている。2つの病院が統合された「カレス記念病院」では、今まで以上に充実した専門・急性期医療が、展開される予定。

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