4月23日に投開票が行われた函館市長選は、4選を目指す工藤寿樹氏(73、自民党・公明党函館支部推薦)と新人で同市元保健福祉部長の大泉潤氏(57、立憲民主党支持)の一騎打ちとなり、大泉氏が9万8174票、工藤氏が2万3483票を得て、大泉氏が当選した。大泉氏は工藤氏に4・2倍もの得票差で大勝した。(写真は、当選を喜ぶ大泉潤氏)
開票は21時30分から行われたが、報道各局の出口調査によって20時15分頃には大泉氏に当確が出て、開票を待たずに大泉陣営は「万歳」を三唱。一方、工藤陣営では、工藤氏が敗戦の弁を語った。
大泉氏は、事務所の外に用意されたお立ち台に立ち、支持者らが「おおいずみじゅん」とコールする中、万歳を三唱したうえで、当選の喜びをこう語った。「おかげさまで勝利を掴むことができました。ここで市長の任務を全うすると宣言することは簡単だが、今はその時ではありません。市民が分断され、地域が分断されることがあってはならない。私の公約の『未来への8つの扉』の1つにインクルージョンがあります。その意義は、国籍、年齢、性別、さらには党派の違いを超えて、誰もが同じ場所で働いたり、学んだり、共に幸せを感じられる社会を実現することです」
「多くの皆さんが、函館を諦めないという思いのもと、党派を超えて私を支持していただいた結果、今の勝利があると思います。誰一人置き去りにしない、全ての人の権利が守られて、温かく、寄り添う行政ができるように全力を尽くしたい」
(写真は、敗戦を覚悟していたように淡々とした工藤寿樹氏)
一方、工藤氏は、「ご支援いただいたのに、こういう結果になったことは残念。私の力足らず。厳しい選挙戦を支えていただた皆さんに心より感謝申し上げたい。少しでも街を前進させたいという思いで12年間やってきた。コロナの影響で思うような活動ができなかったことは、不本意で残念だが、皆さんに支えられてきた12年間は、難しい時もありましたが、楽しく、面白く、前向きに市政を進行させていただき、幸せな年月だった。年齢もあるので、『そろそろ休んでもいいんじゃないか』という有権者の温かいお気持ちかなと受け止めています」と淡々と語っていた。
大泉氏について、工藤氏は「これから頑張ってくださいというしかない」と述べた。