4日に公示され16日投開票の衆院選を前に主要政党8党の道内代表者による公開討論会が1日、北海道経済センターで開催された(主催は北海道新聞社)。テーマは、「日本、北海道の針路を問う」で原発問題や消費増税、TPP(環太平洋経済連携協定)を巡る論戦が繰り広げられた。参加者は約150人で8党代表の議論の後には北海道新幹線札幌延伸の工期短縮や北方領土返還について会場からの質問もあった。(写真は、各党の主張を訴えた公開討論会)
参加したのは民主党北海道代表荒井聡氏、自民党道連会長伊東良孝氏、公明党道本部代表代行横山信一氏、日本維新の会北海道ブロック担当中田宏氏、共産党道副委員長畠山和也氏、みんなの党北海道ブロック担当山内康一氏、社民党道連代表道林実氏、新党大地幹事長代行浅野貴博氏。
民主党の荒井氏は、「北海道は民主党発祥の地。民主党の再生は北海道から。もう一度作り直す。衆院選の論戦は憲法問題、原発問題、社会保障の充実の3つ。これらの民主党施策を途中でやめるべきなのか国民に問いたい」と語った。
自民党の伊藤氏は、「政治に大切なのは国民との約束を守ること。迷走を繰り返している民主党政権から新しい政治を構築する」とした。
公明党の横山氏は、「日本再建がテーマ。公明党は責任ある社会を築き経済政策にも手を打つ。地域に根を張っている政党は公明党」と述べた。
維新の中田氏は、「我が国は国難だ。国難をどう解決するかは、個別利益から全体最益求めなければならない。わが党は依存から自立、集権から分権、競争回避から新規参入歓迎の価値観を持っている。ハードランディングではなく現実的対応で3つを柱にする」と訴えた。
共産党の畠山氏は、「共産党は民主党にできなかった自民党政治の歪みを変える。筋を通し行動する政党は共産党で道内には9年間議席がなかったが必ず議席を回復する」と強調した。
みんなの山内氏は、「脱原発と経済成長は両立する。再生可能エネルギーやコージェネなど地域分散型エネルギーで地域の雇用と振興を図る。消費増税の前にやることがある。スリムで効率的な政府を作るのが大きな柱だ」と語った。
社民党の道林氏は、「ぶれずに主張し行動してきたのが社民党。不況で地方ローカルは人口が減少し病院や学校も減っている。これを取り上げないと北海道の選挙にはならない」とした。
大地の浅野氏は、「政治の信頼を取り戻す。景気回復、雇用の創出、若者に夢を与えられる社会を創る。北方領土の返還など国家主権の守れる強い国を創るのが新党大地の訴え」と語った。
原発エネルギー政策について、「原発ゼロにするプロセスが重要。新規着工は認めない。北海道は風力発電の大宝庫で全国の40%を占める。これを活用し送電網を整備すべき」(公明党横山氏)、「原発は未完成の技術だが、安全を確認し再稼働は止むなし。脱原発の議論は大いに進めていくべき」(維新の中田氏)、「即時原発ゼロの政治判断をすべき。大間は建設停止。石炭から転換したときのような施策を作ることに切り込んでいくのがわが党の主張」(共産党の畠山氏)、「2020年代の原発ゼロ。生命を危険にさらしても経済成長なのか、原発ゼロでも必ず両立できる時代が来る。農業のバイオ発電で農業者のインカムも増やせる」(みんなの山内氏)、「原発の安全神話は崩れた。脱原発で再稼働も認めない。水力、風力へ進むべき」(社民党道林氏)、「原発なきマチづくりや廃炉の技術をどう作るか現実的な原発ゼロを提唱する。北海道はサハリンのLNGを持って来れば雇用にも繋がる」(大地の浅野氏)、「欧米のように40年で廃炉にする法律があれば、福島原発事故が起きなかったかも知れない。40年で廃炉にする法律ができたので原発を止められるようにする」(民主党荒井氏)、「脱原発は正しい。原子力に依存しなくても良い方向を目指し新規原発は建設すべきでない」(自民党伊東氏)とそれぞれの主張を訴えた。
TPPや消費増税、北方領土問題など北海道とのかかわりが大きい論点については次回に紹介する。