檜山管内乙部町の寺島光一郎町長(66)が7期連続の無投票当選を決め、寺島町政は8期目を迎える。7期連続無投票は全国で初、8期目は全国で3番目、道内現職首長としては最多当選。
寺島氏は東北・北海道町村会の会長を務めているが、東日本大震災の復興予算確保など東日本町村の強い発言力が求められており、今年7月に改選される全国町村会の会長への待望論がある。
寺島氏は奥尻沖地震(北海道南西沖地震)も体験しており、災害復興に向けた町村の意見調整や政府との折衝などに適役とされている。
寺島氏は乙部町長1期目は選挙選を戦ったが、2期目以降は無投票で当選を重ねてきた。北海道町村会の会長には、2005年4月に就任し現在3期目。
全国町村会の副会長にも就任していたが、副会長ポストは輪番制。東北・北海道の東日本ブロック町村会会長としての当て職だった。全国の副会長は一昨年に退任し現在は常任理事。
全国町村会の会長は、福岡県添田町の山本文夫町長が6期目の途中で後期高齢者医療を巡る贈収賄事件で辞職したため、昨年4月から残任期間を中部ブロック会長の長野県川上村の藤原忠彦村長(72)が務めている。
山本氏の退任後には寺島氏の就任が有力だったが、西日本ブロック代表だった山本氏が長期に亘り会長を務めたため、寺島氏が後を引き受ければ中部ブロックの発言力が弱まるという声が出て、藤原氏が会長職に就いた経緯がある。
藤原氏は今年7月には前会長の残任期間を終えるが、さらに2年間の任期を務めるべきという声もある。しかし、東日本大震災が発生、全国町村会も復興を最優先に取り組まなければならず、東日本ブロックから会長を出すべきという声が高まっている。
寺島氏は、93年7月に起きた奥尻地震に遭遇し災害復興に取り組んだ経験があり、東日本大震災の復興に向けた全国町村会の取りまとめ役として期待する声は大きい。
全国町村会会長は、全国知事会会長のように選挙は行わず互選で選ばれる。
道内では、高橋はるみ知事が知事選で184万票を得て圧勝。昨年の支庁制度改革で高橋知事と寺島道町村会長の対立は元に戻れないほど先鋭化してしまった。
高橋知事は184万票の民意を背景に支庁制度改革をさらに加速する可能性もある。寺島氏が全国町村会会長に就けば、強い姿勢で臨んでくる高橋知事を牽制できる側面も出てきそうだ。