菅改造内閣と北海道の距離感

政治全般

菅改造内閣が発足して半月、ようやく動き出した政権と北海道はどんな距離感にあるのだろうか。
北海道の問題と言えば、公共工事、高速道路、新幹線が3点セット。それに開発局の統廃合問題が加われば、「北海道丼」が出来上がる。

この北海道の諸問題を担当する国交省副大臣に就任したのが道2区の三井辨雄衆議(67)。鳩山政権時代は国会対策副委員長だったが、民主党北海道の代表も務め、政権交代で攻めどころを探しあぐねていた道庁関係者や道内経済界がこぞって三井氏を頼った。
三井氏もそれに応えるだけの実力を持っていたため、今や北海道の問題を政権に伝えるには三井氏を抜きには考えられないほど。
道庁高官は、「三井氏は国交省の北海道局の担当なので、少なくとも開発局の統廃合問題には歯止めがかかるのではないか」と期待感を示す。また、経済関係者は、「HAC(北海道エアシステム)の動向にも影響が出てくるのではないか」と言う。
と、いうのも三井氏はJALがHACの経営権を手放した後に道庁が主体的に運営する“道営航空”化に懐疑的。出資しても経営は民間に任せるべきというのが、三井氏の本音と見ているからだ。
道営航空化にブレーキがかかれば、まとまりかけている骨格プランが振り出しに戻ることになる。
道財政と直結する総務大臣の政務官に就いたのは道8区の逢坂誠二衆議(51)。目下の注目は一括交付金問題。各自治体にとってはひも付きでなく自主的に利用できるだけに各自治体の実情に合わせた財源になるが、他省庁の抵抗は強い。

ニセコ町長を務め地方自治体に土地勘のある逢坂氏が、どこまで存在感を示せるか。
北海道と言えば、農業大国。民主党政権になって以降、全国農業協同組合中央会(全中)会長と農水相の面会すらできなかったが、菅改造内閣で農水相になった鹿野道彦衆議は、全中会長とも面会、関係修復が期待されている。
その中で、農水大臣政務官になったのが道12区の松木謙公衆議(51)。松木氏はオホーツクの酪農、畑作地帯を地盤にしており、まさに打ってつけのポスト。ただ、松木氏は農業に精通しているとは言い難く、北農中央会がどこまで松木氏と意思疎通できるかが、北海道農業の鍵を握ることになる。
こうみてくると、菅改造内閣と北海道の距離は意外に近い。国交省、総務省、農水省と北海道に関係の深い省庁の枢要ポストに道選出の民主党国会議員が就いたことは、ある意味で北海道にとって大臣以上に力を発揮してくれる体制になったということができそうだ。

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