札幌市は、大通地下街(オーロラタウン)西2丁目地下歩道を北へ160m延伸することに伴い、既存の地下躯体取得費8億円を含め北1西1再開発ビルや市役所との接続出入り口を整備するため総額34億円を投じる。地下躯体は地下鉄東豊線の建設に合わせて1987年に第3セクターの札幌振興公社(当時の社長は平瀬徹也元札幌市助役)が建設した。現在価値は9~11億円だという。(写真は延伸される西2丁目地下歩道の入り口付近)
地上を走る西2丁目通りの地下には、85年当時第3次札幌市長期総合計画の中で検討されていた北1西1街区のコンベンション施設と既に建設が進んでいた地下鉄東豊線札幌駅を結ぶために長さ130mの地下通路用躯体が札幌振興公社によって建設されている。その後、コンベンション施設の計画は変更され、同街区には地上154mの高層オフィスビルや同70mの高機能ホールを備えた市民交流複合施設の2棟が2017年度に完成する。
札幌市が西2丁目地下歩道を延伸するのは、北1西1再開発ビルの竣工に合わせて地下歩行ネットワークを整備、回遊性を高めるともに歩行者や施設利用者の安全性、公共交通機関とのアクセス向上を図るため。
地下躯体は87年の完成後も未利用だったが、今回27年ぶりに活用の目途が立ち、市は躯体取得費8億円を含む工事費約34億円を投じて18年から利用できるようにする。躯体を地下通路として整備するほか市役所、北海道経済センター、北1西1再開発ビルの3ヵ所に接続出入り口も設置する。
総事業費34億円の内訳は、躯体取得費8億円、測量・設計費1億円、接続出入り口を含む工事費25億円となっている。躯体取得費の8億円は当時の建設費や金利、事務費、消費税を合算した金額。なお、市の試算によると、新たに躯体を建設した場合の建設費は約19億円で躯体の現在価値は約9~11億円。
市は躯体取得費8億円を札幌振興公社に支払う予定だが、再開発ビルの市の区分所有権と等価交換することも検討されている。