札幌市役所市民まちづくり局都心まちづくり推進室長だった星卓志氏(54)が4月1日から工学院大学建築学部まちづくり学科教授へ転職した。星氏は、札幌市でまちづくりを担当、札幌中心部の顔づくりに手腕を発揮してきた。市役所の部長職から大学教授に転身するのは珍しい。職員の間では「華麗なる転職」という声が沸き起こっている。(写真は、札幌市役所)
星氏は、1959年1月生まれの54歳。北大工学部建築学科から大学院の環境科学研究科に進み工学博士号を持つ。
札幌市役所に入ってからは、都市構造や土地利用の部署に就き、企画調整局企画部都心まちづくり推進室事業調整課長や都市局市街地整備部住宅課住宅整備担当課長を経て2009年4月に市民まちづくり局都市計画部長、12年4月から同局都心まちづくり推進室長(部長職)を務めていた。
星氏は、市の第4次長期総合計画(2000~2019年度)での都心まちづくりの在り方などをまとめ、アイデアマンとして市内部の評価も高かった。
市は東日本大震災で甚大な被害に遭った宮城県山元町の復興に関わったが、震災直後に星氏は単身現地に飛んで被害状況を確認し復興計画づくりに市がどう取り組めば良いかを取りまとめた。星氏は山元町から「参与」の肩書を与えられ、県や国との折衝にもあたった。「山元町は人口1万3000人強で、都市計画などにノウハウや知見がなかったので札幌市が条例づくりもサポートしたが、星氏はその中心で復興支援に汗を流していた」(市役所幹部)
こうしたまちづくりの実績が評価され、工学院大学からヘッドハンティングされたもので3月末に市を退職、4月1日付教授に就任した。
市の部長職が大学教授に転身するケースは珍しく、職員からは第二の職場での活躍を期待する声が多い。