札幌駅前通地下歩行空間の管理・運営を主業にしている「札幌駅前通まちづくり会社」の2012年3月期決算は、300万円の純利益を確保できそうだ。地下通路を利用した物販など貸しスペース事業が好調で、広告収入も堅調なため。同社は利益をまちづくりに支出するため配当は行わない。(写真は昨年9月に行われた札幌駅前通まちづくり会社の創立総会)
札幌駅前通まちづくり会社は、昨年9月末に正式発足。具体的な事業は①駅前通地下歩行空間や地上空間を活用したイベントやオープンカフェなどの設置による賑わいの創出②企業や大学の知識・情報を活用して文化発信の土壌を育成③交通安全運動や防犯活動、駐輪対策、環境美化――など。
資本金は、990万円で札幌駅前通振興会が440万円を出資、越山ビルディングスや敷島屋、光映堂などのほか札幌駅総合開発、札幌商工会議所、伊藤組、三井不動産、札幌市などが出資している。
11年3月期は、収益源となる地下歩行空間の貸しスペース事業による収入が3月12日の開通から半月分しかなかったうえに、東日本大震災で200万円分のキャンセルが発生、純利益段階では600万円程度の赤字決算になった。
12年3月期は、広告収入3200万円、貸しスペース事業による収入2400万円、札幌市の指定管理料1500万円が主な収入で売上高は7200万円を予定している。現在の職員数4人では対応できないほど業務が増えているため、2~3人の新規採用を行いたい考え。
売上高から販売管理費、法人税などを差し引いた純利益段階では300~400万円を確保できる見通し。
同社によると地下通路の広場や通路沿いの憩いのスペースの利用は好調で計画を上回る状況が続いているという。
4月の状況は、憩いの空間44ヵ所の貸し出しスペースの稼働率は平日が880回中306回で35%、休日は440回中198回の45%になった。
その他の稼働率は以下の通り。北大通交差点広場西側=平日20回中0回、休日10回中4回、北大通交差点広場東側=平日20回中0回、休日10回中3回、北3条交差点広場西側=平日20回中1回、休日10回中8回、北3条交差点広場東側=平日20回中20回、休日10回中10回。
地下広場は札幌駅前に近い北3条交差点広場は稼働率が高く、北大通交差点広場は低い“北高南低”の利用状況になっている。