4月12日の札幌市長選に2度目の挑戦をして敗れた自民党推薦の本間奈々氏(46)が、伊藤組(本社・札幌市中央区)の新規事業部長に就任することが分かった。本間氏は「3度目の出馬はない」としており、民間人として第2の人生を札幌でスタートさせる。(写真は、本間奈々氏)
本間氏は、早大法学部卒業後に自治省(現総務省)に入省。2002年に札幌市企画調整局企画部企画課長として出向したことが縁で、町村信孝衆議に声をかけられ11年4月の市長選挙に出馬、3選目を狙った上田文雄氏に16万4000票差で敗退した。
その後は、リベンジ戦を決意、4年間は札幌第一興産顧問として雪辱戦に望みを掛けた。自民党推薦は二転三転したものの、本間氏は今回の市長選にも自民党推薦を勝ち取り再出馬。結果は民主党推薦で上田後継の秋元克広前副市長(59)に敗れた。秋元氏は45万3493票、本間氏は31万6829票でその差は13万6664票。投票率は下がったが、本間氏は前回よりも5万票も落とした。
落選後、本間氏は総務省の大石利雄事務次官に会った際、「札幌に残りたい」と報告、大石氏は選挙で夫(長女と同居)と別居状態だった本間家の再興を助言したが、本間氏は中学3年生の長男が高校受験を控えていることもあって札幌にとどまることを伝えていたという。
6月1日からは、伊藤組土建の親会社的な位置づけの伊藤組に入社、新規事業部長の肩書で第二の人生をスタートさせる。伊藤組は、資本金9億2600万円でビル・不動産事業のほかケンタッキーフライドチキンのFC(フランチャイズ)を36店展開している。伊藤組のオーナーである伊藤義郎氏(伊藤組土建名誉会長、88)は、経済界の有力な自民党支持者で今回の市長選でも本間氏を支持していた。以前、道の副知事OBが会長職を務めていたこともある。