2月1日午前、黒塗りの高級車が似合う札幌パークホテルにスズキの軽自動車が横づけされた。使い込んだ風情を醸す車の運転席から降り立った夕張市長・鈴木直道氏(37)は、同ホテルで自ら行う北海道知事選への出馬会見場に向かった。(写真は、北海道知事選に出馬表明する鈴木直道氏)

 この日、鈴木氏は4月に行われる同知事選に正式に立候補することを表明した。高橋はるみ知事の5選不出馬表明が遅れに遅れたことで、次期知事候補者選びは混迷。自民党や経済界が鈴木氏と和泉晶裕氏(57、国土交通省北海道局長)のどちらを推薦候補にするかで堂々巡りする中、鈴木氏は自ら手を挙げ無所属で立候補する意思を表明した。

 鈴木氏は、石原慎太郎都知事の下、2008年に財政再生団体である夕張市に派遣された都職員だった。2年2ヵ月勤務した後、内閣府地域主権戦略室に出向して夕張市行政参与に就任。10年11月に夕張市長選に出馬を決意して都庁を退職、11年4月に全国最年少の30歳1ヵ月で市長に就任した。

 それから8年目を迎え、住宅再編事業など全国初の集約型コンパクトシティ計画を策定したり、JR石勝線夕張支線の廃線を逆提案したりして持続可能な公共交通体系の再構築を目指すなど実績を積んできた。さらに誰からも不可能と言われた財政再生計画の抜本見直しを国から勝ち取り、2026年度には実質的に財政再生団体から脱却する道筋も付けた。

 鈴木氏は会見で、「北海道が直面している人口減少をはじめとする様々な課題と向き合い、一つひとつ丁寧に解決してピンチをチャンスに変え、北海道が持っている素晴らしい財産、魅力を存分に生かし活力あふれる北海道にしたい。そうした思いを各地域の皆さんと共に徹底した道民目線の下で成し遂げたい。こうした思いが重なり立候補を決断した」と述べた。

 さらに、「夕張に残るべきか知事選に出馬すべきか悩んだが、自分の素直な心の声を聴いた答えは、『経験と持てる力をすべて注ぎ道民の知恵と力を結集して躍動する北海道の扉を力強く押し開けていきたい』ということだった」と話した。

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