北海道議会の第一定例会閉会日を明日に控えて、今定例会の最大の話題になっている新生HAC社長人事が難航している。このままでは、トップ不在のまま道の補助金や出資金の支出を可決しなければならない事態になりそう。昨日開催予定だった予算特別委員会は流れ、本日8日に延びたものの知事総括でも具体的な名前は示されそうにない。


 年度末まで残りあと20日ほど。ギリギリの人選が続きそうだ。
 HAC(北海道エアシステム)の経営から撤退するJALの後を受け、道を筆頭株主に新体制づくりが進んできた新生HACは、道が示したスケジュールから1ヵ月遅れでクリアしてきた経緯がある。
 昨年10月中旬に報告するとしていた事業プラン案は、11月下旬にずれ込み、関係自治体や経済界から出資も2月初旬から下旬にずれ込んだ。
 関係自治体や経済界からの出資が固まったのは、まさに第一定例会の直前だった。
 道は2月23日の本会議でHACへの出資金と補助金、貸付金を合わせた約6億円を今年度補正の追加予算として提案、道議会との間で「3月7日の予算特別委員会知事総括には、社長の名前を出す」ということで提案の上程を了承した経緯があった。
 しかし、7日の予算特別委員会は結局流会になった。午後1時開催予定だったが、道と自民党・道民会議会派との調整が3時過ぎまでかかり、続いて行われた民主党・道民連合会派との調整が終わったのは4時過ぎ。この時点で、予特審議に時間がないとして流会が決まった。
 知事は、これまで新生HACのトップには「企業経営に経験があり航空業界に詳しい人物」と必要とされる条件を述べてきたが、本日開催の予特では、さらに踏み込んだ答弁が要求されるのは間違いない。
 札幌市の幹部は、「おそらく具体的名前は出てこないだろう。13・5%を出資する第3位株主の我々のところにも社長人事について何の話もない。まず、(新生HACに)出資する金融機関から根回しをするのではないか」と語っている。
 その金融機関は先週4日時点で「全く聞いていません」(北洋銀・横内龍三頭取)
 社長人事は、年度末ギリギリまで調整が続くことになりそうで、結局JALのOBに頼るしかないようだ。


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