道内経済の低迷で、道民所得も減少が続いている。明らかになっている平成19年度の一人当たり道民所得は240万8000円で前年度から8万3000円減少し7年連続の減少。20年度、21年度も減少しているのはほぼ確実と見られ道経済の実態を反映して道民所得も200万円のラインまで限りなく近づきそうな勢いだ。
所得の中で住居にかかる支出の比率は大きいが、道内に約2万3000戸ある道営住宅の家賃収納状況はどう推移しているだろうか。
平成21年度を見ると、道営住宅の家賃収入予算は51億1118万円、道営住宅等にある駐車場賃貸収入予算は5億2476万円。実際の収納額は家賃が50億8290万円で駐車場賃貸料が5億1146万円。収納率は家賃が98%、駐車場賃貸料は97%となっており比較的高い収納率を確保している。
では、滞納額はどのくらいあるかというと、家賃は6億9300万円、駐車場賃貸料は4565万円にのぼる。こうした過年度から積み上がった滞納額の収納額はどうかというと、21年度で家賃は1億4900万円、駐車場賃貸料は813万円で滞納額全体に対する収納率にすると家賃が15・2%、駐車場賃貸料は17・8%と一気に低下する。
こうした滞納者に対して道はどういうスタンスで臨んでいるのか。道では30万円以上の滞納者には、建物の明け渡しを求めたり分割での支払いを求めている。しかし、それでも要求に応じない場合は訴訟を提起している。
平成21年度に実際に訴訟を提起したのは44件に及んだ。そのうち判決前に和解で支払うことになったケースが9件、判決後に支払うことになったのが12件で判決後も支払いをせずに居座っていたために強制退去を執行したのは22件にも及ぶという。
道では滞納者に対して戸別に訪問したり電話で支払いを求めるなど収納率の向上を図ってきたが、今年度からこうした滞納債権の回収率アップのために、収納を民間委託している。こうした措置が滞納額減少に効果を発揮しているのかどうか、今年度の収納状況が気になるところだ。