マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも、数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2025年32回目は、北区北8条西5丁目の「北海道大学中央第一職員宿舎12号店」。
(写真は、解体工事が進んでいる「北海道大学中央第一職員宿舎12号店」)
北海道大学のキャンパスと背中合わせのこの地域は、小路があって昭和の雰囲気が残っている。ただ、交通量が多い北8条通が心理的なバリアーとなって、用事がなければ足を運ぶことは少なく、市民の多くも土地勘のない一角だろう。そんな場所にある昭和の名残の一つ、「北海道大学中央第一職員宿舎12号店」の解体工事が進んでいる。鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積は約298坪(985㎡)。解体工事の注文者は、国立大学法人北海道大学、解体工事は松村組(本社・東京都千代田区)札幌支店(札幌市中央区)。工事期間は、2025年10月14日から2026年4月14日までとなっている。
北大は、解体後の跡地約625坪(2065㎡)の貸し付けを2026年6月1日から5年間(最長10年間)行う。期間が最長10年間のため、貸付地に借地借家法が適用される建物の建設はできない。利用用途は、駐車場、一時的な建設事務所、資材置き場、イベント用地に限られている。長年佇んでいた昭和の面影が消え、街角の景色が新しく変わる。



































