北海道新聞社の旧本社ビル(札幌市中央区大通西3丁目)が、2025年4月中旬から解体工事に入る。解体後には、オフィス、ホテル、店舗からなる高さ約84・5mの複合ビルが建設される予定だが、工事費や金利水準など外部環境の変化に対応するため、収支の再検討を行っており、計画が変更される可能性もある。(写真は、北海道新聞社旧本社ビル)
道新は、中央区大通東4丁目の北海自動車整備工場跡地に新本社ビルを建設、2024年11月に移転した。これに伴って、1963年に竣工した旧本社ビルは、空きビルとなった。道新は、移転前から、旧本社跡地の開発を進めるプロジェクト「西3プロジェクト」を進めてきた。建設工事費の高騰や金利環境の変化から、一部には、旧本社をテナントビルとして賃貸する方向もあったようだが、老朽化が進み、外部への賃貸は、難しいとの結論になったようだ。
このため、解体工事が、2025年4月中旬から始まる。道新が2024年1月に策定した「西3プロジェクト」によると、大通西3丁目の「道新ビル北1条館」と道新ホールがある「道新大通館」の跡地約1378坪(4548・99㎡)のうち、建築面積約1121坪(約3700㎡)を使って、高さ約84・5mのオフィス、ホテル、店舗の複合ビルを計画しており、延べ床面積は、約1万7575坪(約5万8000㎡)となるとしている。
敷地北側にオフィス棟、南側の大通公園側にホテル棟を配置して、時計台の背景となるような外装デザインを予定。北東角には展望ラウンジを設け、時計台と一体となった賑わいの場をつくるほか、1階と2階を吹き抜けの時計台広場とし、イベントなどで時計台との繋がり感を生み出すことも予定している。
ただ、策定当時と比べて建設費の高騰が続き、金利水準も変化しており、利益目標の見直しが必要で、収支の再検討を進めているという。設計は、三菱地所設計(本社・東京都千代田区)が手掛けているが、一部見直しも想定される。