札幌の今、解体ノート2024年版㉒中央区南3条西2丁目創業120年旧「奥山仏具店」

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 マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が、大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。 札幌には今、中心部にも郊外にも、数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2024年22回目は、中央区南3条西2丁目の旧「奥山仏具店」。(写真は、看板が残っている旧「奥山仏具店」)

 南3条通は、賑やかな南1条通や南2条通から1本南を走る東西の通り。飲食店舗が両側に軒を並べている中で、「奥山仏具店」は、生活に密着した店舗として、一風変わった存在感を放っていた。その「奥山仏具店」が移転のため、2024年12月8日に閉店。新店舗は、南22条西11丁目1-16の石山通沿いに立地して、同年12月12日から営業を開始している。

 それに伴って、旧店舗の解体工事が進んでいる。「奥山仏具店」を営む奥山柳造商店のルーツは、新潟県長岡市。初代の奥山柳造氏は、明治38年(1905年)に、ここで法被店を開業、2代目が、大正10年(1921年)に、仏具店を開業した。商売は変わったものの、この界隈で120年間の営業を続けてきた老舗。店舗は、何度か建て替えられて、1世紀を超える暖簾を守ってきた。ちなみに、1905年は、札幌農学校の初代「恵迪寮」が建設された年で、翌1906年には、道内初の百貨店、五番館興農園が開業している。

 旧店舗の解体工事は、2024年12月12日から始まった。解体の注文者は、奥山柳造商店、解体業者は丸真藤田工務店(札幌市東区)、解体期間は2025年1月31日まで。120年にわたって「奥山仏具店」として利用されてきた土地は、次にどんな役割を担うだろうか。

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