マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が、大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも、数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2024年21回目は、清田区清田1条1丁目の「三和交通清田営業所」。(写真は、「三和交通清田営業所」の解体工事。旧国道から撮影)
国道36号を月寒から清田に向かうまでは、なだらかな下り坂になっている。四つ角にある旧ダイエー清田店を利用した「ヤマダデンキ」の店舗は、何度も業態を変え、現在は、「Tecc LIFE SELECT清田店」として営業している。その隣接地にあるのが、タクシー会社、三和交通(本社・札幌市北区)の清田営業所。
この建物は、1983年7月にパチンコ店としてオープン。運営会社はその後、ジーアンドイープランニング有限会社(札幌市厚別区)になったが、同社は、和議でこの建物を同業の大栄観光(大阪市旭区)に売却。しかし、同社も札幌市から建物の差し押さえを受けるなどして、2004年7月に、三和交通が取得した。同年8月には、個人所有だった土地も取得した。三和交通は、2008年から清田営業所として運営を開始した。
旧パチンコ店をそのまま利用していたため、タクシー会社とは思えない独特の雰囲気があり、壁面には「761-6000(ヒロイ・ムセン)」の看板が目立っていた。
解体工事は、2024年12月1日から始まった。解体工事の注文者は、三和交通の持ち株会社、SKホールディングス(本社・札幌市北区)、解体業者は北日本総業(同・江別市)。解体期間は2025年3月31日まで。国道に面しているが、奥行きは、段差のある地形になっており、使い勝手には難がありそう。ただ、土地面積は約1500坪と広く、建物解体後の跡地利用が注目される。