札幌の今、解体ノート2024年版➉中央区北5条西5丁目「センチュリーロイヤルホテル」

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 マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。 札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2024年10回目は、中央区北5条西5丁目の「センチュリーロイヤルホテル」。(写真は、解体工事が始まっている「センチュリーロイヤルホテル」)

 1972年に札幌冬季五輪が開催された頃、札幌市内のホテルでは「札幌グランドホテル」、「札幌ロイヤルホテル」、「札幌プリンスホテル」、「札幌パークホテル」が有名だった。その中で、地場資本のホテルだったのは、札幌国際観光の「札幌ロイヤルホテル」と北炭観光開発の「札幌グランドホテル」、「札幌パークホテル」。札幌国際観光の前身はキャバレー「アカネ」。経営者だった杉野重雄氏が1964年に開業したのが、「札幌ロイヤルホテル」だった。その2号ホテルとして1973年5月に開業したのが、「センチュリーロイヤルホテル」。

 住友生命保険相互(本社・大阪市中央区)が建設した住友生命札幌ビル(地下3階、地上23階、最高高さ88・1m、4~8階はオフィス)にテナント入居したもので、当時としては珍しい、建物所有とホテル経営の分離形態だった。札幌国際観光はその後、民事再生などを経て株主が変わり、直近では、マルセンクリーニング(本社・釧路市)が経営権を持っていた。

 開業から51年が経過した2024年5月31日、「センチュリーロイヤルホテル」は、その歴史に幕を閉じた。アスティ45の竣工や札幌駅高架化、JRタワーの登場など、駅前の環境が大きく変化する中、当時の面影を残す建物だった。解体工事は、2024年7月15日から始まった。注文者は住友生命保険相互、解体の元請は竹中工務店(本社・大阪市中央区)、解体工事は有明興業都市開発(同・東京都江東区)が行っている。工事は、2026年3月15日まで続く。現在のところ、解体後の開発計画は明らかになっていない。

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