札幌の今、解体ノート㊶白石区北郷2条7丁目「NBSショッピングセンター」

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 マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の41回目は、白石区北郷2条7丁目の「マックスバリュ北郷店」「サツドラ北郷店」などで構成された「NBSショッピングセンター」。(写真は、解体工事が始まった「NBSショッピングセンター」)

 札幌市白石区の北13条・北郷通と水源地通の交差点西南角地にあったのが、「マックスバリュ北郷店」、「サツドラ北郷店」、「札幌弘栄堂書店北郷店」、「ゲオ札札幌北郷店」が集積した「NBSショッピングセンター」。今から、28年前にオープンしたネイバーフット型ショッピングセンター(NSC)。NSCとは、近隣住宅街の住民など小商圏をターゲットにした、食品スーパーやドラッグストアなどが集積した商業施設で、当時盛んにつくられた複合商業施設だった。

 オープンから30年近く経過する間に、店舗の運営母体も次々に変わっていった。「マックスバリュ北郷店」は、元々は「ジョイ白石店」だったが、運営母体は住友石炭鉱業から旧マックスバリュ北海道、イオン北海道と変遷、店舗名も変わっていった。また、札幌弘栄堂書店も、JR北海道系の北海道キヨスクからトーハン系子会社に運営母体が移っていった。その札幌弘栄堂書店の最後の路面店として残っていたのが、同店だった。

 住宅街の中にあるショッピングセンターは、地域の人たちが日常的に訪れる気軽さがある。NBSショッピングセンターも地域の人たちとともに歳月を積み重ねてきたが、今年8月31日、その役割を終えた。

 建物の解体作業は、10月18日から始まっている。解体工事の発注者は、土地建物所有者のイオン北海道(本社・札幌市白石区)、解体業者はシンヨウ(同市厚別区)。2023年4月末まで解体工事は続く。現時点で、解体後に建つ新たな商業施設の概要は決まっていない。

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