マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の35回目は、清田区里塚1条2丁目の旧「旧南徳洲会病院」。(写真は、解体工事が進んでいる旧「旧南徳洲会病院」)
旧国道36号線が平岡南公園を過ぎて左ヘカーブをしながら下り、緩やかに右カーブを描いて上り始める場所にあるのが、旧南徳洲会病院。その建物の解体工事が行われている。この病院は、今から35年前の1987年8月、札幌医療生活協同組合して設立された。その後、1990年6月札幌緑営病院に名称を変更、1994年6月にはかつら台病院と名前を変えた。1996年1月、医療法人徳洲会(本部事務局・東京都千代田区)と業務提携、同年6月に札幌南青洲病院に名称変更。2017年12月には、札幌医療生活共同組合は医療法人徳洲会に事業譲渡され、札幌南徳洲会病院になった。2021年7月に、札幌南徳洲会病院は清田区平岡5条1丁目5-1に新築移転、旧病院は閉鎖された。
解体工事は、2022年5月1日から始まった。注文者は医療法人徳洲会、解体工事を行っているのは清輝建設(鹿児島市)のほか、田口工業(札幌市東区)、NK建設工業(岩見沢市)、ワンダーバル(札幌市東区)、エコプロ(空知郡南幌町)。工期は2022年12月28日まで。土地面積は約1026坪(3386・42㎡)。緑営バイオ(本社・東京都新宿区区)が土地を所有していたが、1996年3月にインターナショナル・ホスピタル・サービス(同・大阪市北区)が取得、2015年3月に同社が医療法人徳洲会に吸収合併され、同法人の所有になった。