マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の29回目は、中央区南6条西7丁目の「光和ビル」と「南6条文化ビル」。(写真は、「光和ビル」と「南6条文化ビル」の解体工事)

 歓楽街ススキノのはずれに当たる南6条西7丁目。南6条通を西に向かい、札幌市電を越えてすぐの場所にあるのが「光和ビル」と「南6条文化ビル」。いずれも3階建てで昭和の街並みを色濃く残していた雑居ビルだった。その2つのビルが現在、解体されている。2つの建物が建つ敷地約100坪を所有していたのは、相続で受け継いだ7人。一部売買などで入れ替わりがあったものの個人の共有だった。共有者全員の持ち分を2022年2月末に取得したのは、霞が関キャピタル(本社・東京都千代田区)。名前からしてファンドの特別目的会社(SPC)のようだが、実際は東京証券取引所グロースに上場する不動産会社。

 2つの建物の解体工事は2022年4月8日から始まっており、解体終了は同年5月27日の予定。解体業者は厚西工業(札幌市白石区)。2つの建物に隣接していた成田モーター商会と南6条ビルなどは解体されて、アルファコート(本社・札幌市中央区)が2019年3月に10階建て90戸の賃貸マンションが竣工させている。「光和ビル」と「南6条文化ビル」の敷地は、霞が関キャピタルによってどう変貌するだろうか。

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