不動産の有効活用とエネルギー創出事業を展開している東京証券取引所プライム市場上場のいちご(本社・東京都千代田区)は、札幌駅前通の札幌市中央区北2条西3丁目にある「札幌第一ビル」を取得すると共に、隣接する「若草ビル」の土地に90年間の賃借権を設定した。2つのビルは隣同士で、解体に向けて準備が進んでいる。いちごは、札幌駅前通に拠点を確保することになる。(写真は、いちごグループが取得した「札幌第一ビル」=手前と「若草ビル」)

「札幌第一ビル」は、地下2階、地上7階建て、1962年に竣工。土地建物は、北海道共済農業協同組合連合会(札幌市中央区)の所有だったが、合併により全国共済農業協同組合連合会(東京都千代田区)の所有に代わり、2011年2月に桂和商事(本社・札幌市中央区)が取得した。桂和商事は同ビルに隣接する「第25桂和ビル」も所有している。「札幌第一ビル」は、以前から隣接ビルとの一体開発の話題が出ては消えしていたが、いちご子会社のいちご地所(同・東京都千代田区)が2022年4月に同ビルの土地建物を取得した。

「若草ビル」は、「札幌第一ビル」に隣接するビルで、パチンコ店を展開していた若草企業(札幌市中央区)が1970年代半ば頃に建設した地下1階、地上5階建てのビル。同社の本社が入り、「パチンコ若草」を1997年まで営業。その後は、2010年頃に仏壇の「現代仏壇」のショールームとなり、2011年8月にタカハシ(本社・網走市)がカラオケ店舗をオープンさせた。同社は10年間営業を続けてきたが、2021年10月末に営業を終えた。タカハシが営業していた2021年9月末に、いちごは建物を取得すると共に建物の建っている敷地に90年間の賃借権を設定した。

 2つのビルは、いずれも間口は10mほどで奥行きは20mほど。共に裏通りにも面しており、一体開発すれば中規模サイズのビルとなりそう。既に解体に向けてフェンスが建てられている。



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