札幌の今、解体ノート⑲豊平区平岸4条13丁目「水曜どうでしょう」生んだ「旧HTB本社」

不動産マーケット情報

 マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の19回目は、かつての人気番組「水曜どうでしょう」を送り出した札幌市豊平区平岸4条13丁目の「旧HTB本社」。(写真は、旧HTB本社の解体工事)

 HTBはHBC(北海道放送)、STV(札幌テレビ放送)に続く道内3番目の民放として1968年に誕生、平岸高台にあるテレビ局として長く親しまれてきた。施設老朽化や利便性向上を目的に、2018年の開局50周年を機にさっぽろ創世スクエア(中央区北1条西1丁目)に移転した。旧本社屋敷地と駐車場敷地の合計3035・69坪(1万0035・48㎡)は、2021年1月末に土屋ホーム不動産(本社・札幌市北区)が取得(価格は非公表)、同年3月から建物の解体工事に入っていた。同年6月からは、HTBのマスコットキャラクター「onちゃん」の撤去とともに本体部分の解体に入り、2022年1月現在では、写真のようにほぼ解体が終了、わずかに壁材部分のみが残された状態。解体工事は、丸井・増井工務店(本社・札幌市東区)が行っており、3月31日まで続く。

 旧本社屋の解体後は、戸建て住宅50戸の整備が予定されている一方、駐車場敷地ではひと足早く土屋ホーム不動産と大京(本社・東京都渋谷区)による地上15階建て、91戸、延べ床面積約2190坪(7229・930㎡)の分譲マンション建設が始まっている。「水曜どうでしょう」を送り出し、ファンの間では平岸高台公園とともに聖地とされた旧HTB本社屋は、既に歴史の遠景になった。戸建て住宅地には、聖地をイメージした名前が冠されるという。ファンの想いは、この地で生き続ける。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER