札幌の今、解体ノート⑮中央区北3条西12丁目「ホテル弥生会館」「極楽湯さっぽろ弥生店」

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 マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の15回目は、札幌市中央区北3条西12丁目の「ホテル弥生会館」「極楽湯さっぽろ弥生店」。(写真は、解体工事が始まった「ホテル弥生会館」「極楽湯さっぽろ弥生店」)

 札幌市中央区の北3条と北4条の間の、西11丁目から西12丁目までに「ミニ大通公園」と呼ばれる遊歩道がある。1975年11月に供用が開始されたこの遊歩道に接して、「ホテルさっぽろ弥生」と「極楽湯さっぽろ弥生店」があった。この施設は、国鉄関連企業が1979年に開業、「ミニ大通公園」のそばにあるホテル、温浴施設として42年間にわたって、この界隈の変化を見守り続けてきた。

「ホテルさっぽろ弥生」の旧名は「弥生会館」だったが、JR北海道フレッシュキヨスク(本社・札幌市中央区)の前々身、北海道ジェイ・アール・フーズが2007年に運営を承継して「ホテルさっぽろ弥生」となるとともに、この年に館内の銭湯部門を独立させて極楽湯(本社・東京都千代田区)とFC(フランチャイズ)契約、「極楽湯さっぽろ弥生店」として運営をスタートさせた。

 しかし、この2施設は老朽化に加えてJR北海道(本社・札幌市中央区)の札幌圏資産高度利用を目的に2021年8月末に営業を終えた。それから3ヵ月、解体工事が始まった。解体を行うのは、鉄建建設(本社・東京都千代田区)札幌支店(札幌市中央区)で、本間解体工業(本社・同市西区)も作業を行う。解体期間は2022年5月末まで。
 敷地面積は約1616坪(5335・93㎡)とこの地域では唯一とも言えるほど、まとまった広さがある。解体後にJR北海道は、分譲マンションと商業施設を整備して高度利用を図るという。国鉄時代の風情を残していた建物がまた一つ、札幌から姿を消していく。

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