札幌の今、解体ノート⑫札幌市中央区大通西1丁目「NHK旧札幌放送会館」

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 マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の12回目は、札幌市中央区大通西1丁目の「NHK旧札幌放送会館」。(写真は、解体工事が始まった「NHK旧札幌放送会館」)

 文字通り札幌の1丁目1番地である大通西1丁目1番に建っているのが、NHK旧札幌放送会館。敷地面積約1500坪を利用して1959年に建設された建物は、その後増築を重ねて40年ほど前に現在の姿になった。新しい放送会館が、旧札幌市立病院跡地の北1条西9丁目に竣工、今年6月に全面移転して旧放送会館は62年間の役割を終えた。

 旧放送会館は、1956年に竣工した札幌テレビ塔とともに1丁目1番地のランドマークを形成、大通公園の四季の移ろいと賑わいを見守ってきた。建物の前にある樹齢300年とされる札幌景観資産の「ハルニレ」、「札幌花時計」、山内壮夫の彫刻「希望」とともに旧放送会館は札幌っ子の原風景とも言える存在だった。ちなみに、同じ街区にあった旧豊平館跡に1958年に竣工した札幌市民会館は、2007年に解体され、現在は札幌市民ホール(カナモトホール)が建っている。

 旧放送会館の解体工事は、10月18日から始まっており、2022年9月30日までほぼ1年間続く。解体業者は、岩田地崎建設(本社・札幌市中央区)。NHKと札幌市は、新放送会館の土地と旧放送会館の土地を等価交換することになっていたが、現在のところ所有権は変わっていない。建物解体後、等価交換が実行され、旧放送会館跡地に札幌市役所の新庁舎建設が計画されている。街の記憶は遠ざかり、やがて来る新しい歩みはどんな顔をしているだろう。
(写真は、見納めとなる「札幌テレビ塔」、「ハルニレの木」、「希望」、「旧放送会館」の4点コラボ)

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