札幌都心部のオフィスビルに久々の大型空室が出現ーー。オフィス需要の底堅さで空室率がゼロに近い状態が続く札幌市都心部のオフィスビル。そこに今夏、大型空室が生まれるという。不動産関係者の間では、早くも空室を見越してフロアの争奪戦が繰り広げられている。(写真は、今夏に大型空室が出現する敷島ビル)

 このビルは、駅前通の北2西3にある敷島ビル。地下2階、地上9階建てで建築面積は約434坪(1436㎡)、延べ床面積は約4674坪(1万5452㎡)。1970年に第1期工事が竣工、72年に第2期工事が竣工して現在の姿になった。2011年には札幌駅前通地下歩行空間と直結、利便性の良さからテナントは満室状態が続いている。

 今回、4階と6階、8階のフロアを合計で約600坪(約1980㎡)使用しているコールセンターサービスのKDDIエボルバ(本社・東京都新宿区)北海道地区事務所が、移転することになり久々の大型空室が生まれることになった。

 KDDIエボルバ北海道地区事務所は、今夏をめどに札幌市白石区東札幌2条1丁目の日本通運の所有地に「札幌センター」を開所、敷島ビル内のオフィスと北2西2のSTV北2条ビル内のオフィスを全面移転する。

 敷島ビルの大型空室出現を見越して、早くも不動産関係者や企業の担当者は、空室争奪に向けた事前折衝を始めているという。札幌都心部のオフィス需給はかつてなく逼迫しており、空室出現はまさに干天の慈雨といった様相。駅前通で現在建て替え工事が進んでいる大同生命札幌ビルが竣工する20年春まで、都心部オフィス需給は超逼迫状態が続きそうだ。


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